わたしはF4ファンでも、華流ファンでもありません。だけど本当にこのドラマの主役2人が、大好きでたまらない。原作での疑問だった部分や、不満だった箇所が全部ドラマで解消されて、『MARS』の世界が完璧な物になったと思ったのは、わたしだけかな?この物語と平行して他の物語に触れるのが、いけない事の様な、そんな感覚に陥ってしまう程、素晴らしい物語です。宝物です。完全版も発売してほしいな・・・

ありますよね。表紙は、
なにか神々しくて非日常な女性がドーン。けど中身は
ごく日常の女性４人がさりげなく印象的に描かれています。
生死を冷静に見つめる現代の女子高生。
友人を題材に非凡な小説を生み出す平凡な女性。
周囲の視線に執着する女性キャリアウーマン。
素直な感覚で絵の描けないカット描きの女性。
がそれぞれ自分の人生を捉え、露わにしていく短編集です。
　いわゆるお説教漫画に近いところもあるのですが、この
漫画家さんの凄い所は、それを苦にさせないほどのストーリーを
展開させられる所だと思います。それはこの漫画のような
短編集であろうが、青年誌連載であろうが全く関係ないのです。
　人間の会話や心理を恐いほどに上手く突く漫画家さんです。
デッサン力のある美麗な絵も魅力的ですし、一度は触れてみて
損はないです。本当に「上手い」漫画家さんだと思います。

実は購入していながらしっかり原作漫画の方は10巻を通読していない。
この時代、歴史が好きなで購入。
（劇画タッチのリアルな人物描写上、
絵柄がどうしても好きになれない部分もあって、
作品世界に入り込むのがしんどい時期に連載だったせいもある）

内容は多面的に捉えていてとても豊富。
というか、この時代が好きな人でないと、読みこなすのはしんどいかも。
系図があってもそれぞれの人物背景が分からないと楽しめない。
歴史オタク向き。参考図書や写真もふんだんで、
この手の本の割りには高価ではあったが、まあ、側に置いても十分な厚さ。
巻末オマケ付き。学術本ではないから、お手軽に読みたい人向き。

読み終わって余りの爽やかさにため息。
いつもはこの時代にあれこれ思いを馳せ、何だかなあと考え込んだりするのだが。
世界史に名だたる人がさりげなく日常生活を送っている、その日々を垣間見た。

彼の生きた時代、ルネサンス人の日常、それぞれのきら星のような出会いが
我々が仰ぎ見る歴史を紡いだのだと、改めてしみじみ。
彼らには彼らの青春があり、思いがあり、理想や友情、喜怒哀楽があったことを、
原因と結果に集約される歴史の表層では感じ取ることが出来ない。

作家の感性に裏打ちされた時代を読み込むことは、
読者にとっては新しい世界を見出すきっかけになる。
気持ちよく読めた10巻、思わず自分の拙い青春さえも振り返りたくなる。