読み進めていくと、すっと心の世界に入っていくような感じ。40の作品は1ページまたは2ページで終わっており、どこからでも読めるのも気に入りました。しかもそれぞれは完結しているようで、その先にあるものを読者に自由にイメージさせるように意図されている、そんな感じかな。とにかく独特の言語世界に脱帽。作者と似たような感性を持った人なら、思わずニヤリとさせられる、そして心ときめく、そんな小品です。
タイトルの通り、アダムアントのエキスがたっぷりと詰め込まれたCDです。アダムアントの素晴らしい所は、彼にしか歌えない曲を作ったという事に尽きると思います。ファッションにおいても、アダムが登場し、全世界の度肝をぬいたような、アーティストは未だ現れていません。それゆえ、全世界にアダムのファンが沢山いて、熱心に彼を応援し続けるのだと思います。聞いていて、元気になれる。体が思わず動き出す。そして、最後の”ワンダフル”。涙が止まらなくなる程、しっとりとした、
バラードです。アダムの音楽は、日本では、そのファッションの特異性から、正確に評価されていないように思えてなりません。彼が、新しいCDを発表してくれる事を、全世界のアントピープルと一緒に待っています。何処かで聞いた事があるような音楽が多い今こそ、アダムアントだけにしか作れなかった曲の数々を、もっと、沢山の人に聞いてもらいたいです。
病院に担ぎ込まれた緊急患者の為 呼び出された女医アイリーン(レスリー=アン・ダウン)が診療に来ると、ベッドに両手を手錠で固定された男(ピアース・ブロスナン)が居た。喚き散らしながら暴れていたが、アイリーンと二人きりになり静かになった。診察を始めた途端、ガバッと跳ね起きアイリーンの耳元に奇妙なメッセージを残すと死んでしまうのだった。然もその直後から彼女の体に異変が起こる。原因不明の目眩から、幻覚、幻聴が発症し倒れてしまう...。
冒頭からスリリングでテンポの速い演出が観る者を一気に引き付ける。男と接触した後のアイリーンが夢遊病者状態で廊下をふらふらと、歩き彷徨う描写が何とも得体の知れない恐怖を予測させ最高の滑り出しである。唐突ながら見せ方の上手さ(役者の演技も上手い)で期待感を高める幕開けなのであった。
ブロスナン扮する人類学者に接触した事により、彼の体験の追体験をする幻覚に苛まれる主人公アイリーンの悪夢と現実が交錯する体験恐怖を描いた異色ホラーである。遊牧民に伝わる伝説や惨劇のあった場所を徘徊する人間の姿(メタルファッション)をした悪霊、妻(アンナ・マリア・モンティチェリ)と過去に惨劇があったロサンゼルスの一軒家に引っ越して来てしまったばかりに取り憑かれた人類学者の男の姿が映し出される。ミステリー、ファンタジー色ありの展開である。
派手なアクションや流血描写は殆ど無いが、現実と幻覚を巧みに交錯させた演出と編集の妙味が光る一篇。本作(85年作)は後に「プレデター」(87)、「ダイ・ハード」(88)、「レッド・オクトーバーを追え!」(90)等、傑作アクション映画を連発したジョン・マクティアナン監督(兼、脚本)の劇場映画デビュー作である。
音楽は「ロッキー」シリーズのビル・コンティ、悪霊のリーダー的存在をイギリスのニュー・ウェイヴ・アーティスト、アダム・アントが不気味に怪演している。説明不足で難解的な点はあるが、80年代半ばの主流であるスプラッター映画と対極的な不可思議な雰囲気が漂う見応えのある演出力は只者では無い。