田島征三という絵本作家、画家を御存じだろうか。
初期の「しばてん」の絵本は僕も持っている。エネルギーに満ちた
タッチと作風が旋風を起こしたほどの記憶がある。まさに自然派の元祖的なイラストレーターでもある。
彼は双子で、この映画は彼らの子供時代の生活を、その時代と田舎の自然そのままに緻密に描かれた貴重な日本の記録とすら言えそうな映画です。
しかもお話も子供たちの演技も印象に残る秀作です。
川の水に素っ裸で飛込む感触さえ伝わって来そうな臨場感。双子の主人公の表情がとてもよくて、つい観ている方の顔がゆるむほど・・。
また、この時代の当り前の光景だろうけど、貧しいので(極貧と言ってもいい・・)家の農作業を手伝いつつ学校に来る女の子が一年中、学校へも裸足で歩いてくる。冬にあかぎれで痛々しいその足を泣きながら見せる場面などは胸が熱く痛くなる。
小栗康平の「泥の河」の銀子ちゃんも切なく哀しく・・心に残るけれど、「絵のなかの・・」で登場するこの女の子は田舎の自然のなかで汚れのない自然児のように見えるところが救いがあり、しかもなんだか輝いて懐かしくも見えた。
あくまで自然と子どもの日常が淡々と描かれ、特に奇をてらって演出などないが、なんとなくガルシア・マルケスをふっと連想させる木の上のおばあちゃんたちがいいアクセントになっている。
しかし単体のDVDが発売されていないというのが解せない。
戦時中の村社会や因習、偏見、戦争に行く事が男は立派など今じゃ考えられないような状況の中、あることをキッカケに村人達からつまはじきにされ白い目で見られ馬鹿にされ相手にされなくなり陰湿な村の中で青年はある恐ろしい計画を実行しようと準備をし始めます。ラスト溜まりにたまった怒りを大爆発します!!!ダスティン ホフマン『わらの
犬』ゲイリーオールドマン『スパイラル・バイオレンス』のような作品にも通じるものがあります。特にロバート・デニーロの『タクシードライバー』よりも逃げ道のない和製タクシードライバーです。人間精神的に追い込まれたら何するか解りませんね;怖いです。現在起きてる通り魔事件などにもつうじるものを感じました。ちなみにこの作品のガンエフェクトや弾着、などを、映画やテレビの銃器類をリアルに見せるためのステージガンの製作プロ第一人者故トビー門口率いるグループが担当しておりスプラッターシーンなどのSFXを使った特殊効果も担当しております。大場久美子さんの頭部粉砕シーンはあまりに残酷過ぎるとしてカット、他の演出で撮り直されてます。
映画についてだけでなく、「生まれ変わりの村」''シリーズを読んだ人はもちろん、読んでいない人にもとても分かりやすく「あの世」や「生まれ変わり」についての
調査結果が書かれていました。その量は半端なく多くて、映画を見ていない人も、見た人も・・誰もが興味深く読める本だと思います。
「彼らの声は「小さい」のです」・・という言葉がとてもズシンときました。証言者さんたちの声は、本当に小さな小さな声だったんだと思います。森田さんはその証言者の方々の小さな声をとっても大事にされて、
調査を続けられたのだと思いました。そしてそんな小さな声が集まって・・こんなにたくさんの、これまで誰も知らなかった情報を私たちが知ることができたんだと思います。
ある質問に対し、「物理方程式は何に対しても平等に作用する」という言葉も、ドキッとしました。選ぶ、選ばれる・・というのはその法則に反するのだと思います。選んでもいないし選ばれてもいない・・自分も自分の周りの人たちも、物理方程式の中にいる・・というのを思いました。
こんなにたくさんの問いに答えられるほどの情報が集まって、それをこんなにわかりやすく本にしてくださったんだ・・というのが、本当にすごいって思って、うれしくて、途中からぽろぽろ涙がこぼれました。118個の問いに事実をもとに答えているというのが本当にすごいです。読みながら、知り合いに映画の話をするときはこの本も一緒に・・と思いました。
感動しながらも、時々、あはは・・と笑ってしまうところもあったり、そうか・・と納得したり、すごい・・と思ったり・・。問いはすべて目次にも書かれていて、後から知りたいところだけを読むこともできます。事実をもとにした輪廻転生のガイドブックが初めて世に出たんだと思います。
リアルロボット編は、サンライズのガンダム以降のいろいろなアプローチを(1)あらすじというより世界観・背景の説明、(2)実際に活躍した各機体の紹介、(3)放映時の
タイトルとキャスト・
スタッフ一覧、という形で手短にまとめ、これでもかというくらい詰め込んである、さらに所々にガンダムのその後もちりばめてあるという、実に「濃い」本です。
もちろん(2)がめあてで買ったわけですが、一つ一つにそれほど頁が割けるわけもなく駆け足で通り過ぎて行くだけ。しかし(1)(3)で内容を補完想像し「そういえば本編の時は忙しくて見れなかったしなー」とついDVD購入に走ってしまう!しまったサンライズの作戦にはまった!というよく練られた?作戦を感じます。
印象深いのはやはり「エヴァンゲリオン」ショックが大きかったのか、影響を強く感じる作品が「リヴァイアス」等いくつかありますね(有線のロボットなんてあまりにも影響受けすぎと思いました)。個人的にはその一つともいえる「
ガサラキ」のDVDを買ってしまいました(期待を裏切られず満足)。そういうことを含め、いろいろ試せた収録の2000年頃までの方が、今よりもロボットものにも、閉塞感がなく自由だったような気がしますね。