連載が終わった時は「えっ?!」って感じだったけど、やっと少しスッキリしました。後半ほんとに現実と夢が交差するが如くストーリーがとても上下巻で収まりきれず急に終わった感じがして残念だったけど、この画力や世界観はやはりこの作者ならでは!ちょっと贔屓目もあるけど、やっぱり好きです。
最初読み終わった時、どう感じていいのかが判らずそのまま数回読み返しました。
人の中の記憶の悪夢を引きずり出す力を持った、カスミの力が彼女をも浸食していく様は圧巻。 悪夢を見せる。というよりも、会いたくない死者を見せる彼女の力が進行しすぎて、死んだ殺人鬼をも生かし、自分自身をも自分を殺した男の意識を媒介にして生き返ったのには驚きました。
原初の神話じみた純粋な男女の憎しみの話なのか、人ではない力を持った彼らの無垢で無知でどうしようもなく滑稽な寓話なのか読み終わったあと考えてしまいましたが。 もう少し、カスミとカスミを追ってきた記者の男との繋がりに関するエピソードがあれば判りやすかったかなあ。とも思いました。お互いの無くした記憶がシンクロするような。
難解ではありますが。不思議な読後感の残る話で私は面白かったです。
近年のm.o.v.eらしい全編渡ってバッキバキなシンセ音が際立つ楽曲が揃いつつも、今までのm.o.v.eとは一線を画している印象を抱かせる、ある意味で異色のアルバム。
『anim.o.v.e』はもちろん、前オリジナルアルバム『Humanizer』と比べても、その変貌振りには驚愕しきり。 『Gamble Rumble』『SPEED MASTER』『BLAZABILITY』などm.o.v.eが得意としているユーロ傾向の楽曲はナリを潜め、今作は数多のジャンルのダンスサウンドを厳選し集めて煮詰めまくった、m.o.v.e流ダンスサウンドフリーク御用達ともいえる濃厚な仕上がりになっています。
巷では聴けば聴くほど良さが分かる楽曲のことを「スルメ曲」と評する向きがあるようですが、それに則るとすればこのアルバムはまさに「スルメアルバム」なのではないかと。 一度聴いたのみではおそらく従来ファンでも拒否反応を示しかねないほどヘビーな楽曲が勢揃いですが(事実私も☆5を付けておきながら当初はおもっくそ拒否反応を示してました)、それでもなお同じ楽曲を何十何百回と聴き続けるド変態…もとい愛好者であれば、このアルバムのリピートに対する強さと、個々の楽曲の持つ魅力・出来の良さが滲み出てくる様を感じられるのではないかと思われます。
『Dream Again』『Never Regret』『INSOMNIAC』は特にお気に入り。
ミドルテンポの楽曲が構成の軸となっているので刺激が足りないと感じる人も居るでしょうが、テンションの激しい上下動が無い分、上述したように楽曲のヘビーさに慣れてしまえば全体の流れとして非常に均整が取れていて聴いていて疲れることもない、品質よいダンスミュージックが揃った良盤なのではないかと思います。
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