自分の描きたい物を魂を込めて原稿に叩きつけたような、絵を通して作者の熱情をズドンと感じる凄い作品。手書きによる圧倒的な書き込みによる独特の世界が怒濤の情報量となって読者を巻き込みます。
連載当初は世界観の解りづらさと連載間隔の長さもあり、なかなか難解な物と感じましたが単行本ではそれは解消されるでしょう。
但し、絵柄は謎彼×とは全くといっていい程違い、今の線が好みの方には合わない可能性があります。また、内容もかなり人を選びます。少なくとも作品世界に埋没できる人向けかもしれません。それでも植芝ワールド、その原点に触れたい方は是非どうぞ。
冥界編も後期になると今の絵柄にちかくなり短編形式をとる章が増えますが、ストーリー性が少ない分、心に染みまくるノスタルジィがあふれだします。幻想の中の風やの流れや雨の匂いを感じられるならば尚良しです。今謎彼×を読んでるあなた、もしかするとあなたがこの世に生まれ出流る前の物かもしれないこの本、見てみたくありませんか?
新装版「ディスコミュニケーション」最終巻です。
学園編以降、これまで松笛と戸川は物語の進行上では主役でした。しかし、事件の問題を解決して次のステップへ進むのは別のカップルで、二人はそれを映す鏡、脇役でした。
三島塔子の再会と過眠症の女子高生に関わる事件を介して、松笛と戸川は問題にぶち当たり、はじめて完全な行き違いが起こります。この二つの問題を、三島塔子・燐子姉妹が媒介となり、最終的に各々が自分たちの答えを協力して見つけ出します。これからも松笛と戸川は必ず一緒だという余韻を残して、物語は終わります。また、三島姉妹へとバトン
タッチされ、新しい物語の予感をさせます。
夢使いの活躍と不思議で少し悲しい事件をもっと読みたい人には
夢使いはおすすめです。
植芝先生の作品に共通しますが、恋愛の問題は全カップルそれぞれ違っていて、それに目を逸らすのはいけない、二人で決着をつけないといけないってことですね。
毎月の楽しみがなくなってしまうのは本当に寂しいです。でも、CDブックの再販や
夢使い新装版、さらに謎の彼女Xはどうなるかなど色々と期待しています。