ゲーム単体の出来を評価すると、かなりいい作品ではある。
しかしこのゲームは悪魔城の外伝的な立ち位置のようなので、悪魔城シリーズの「お約束」を知らないと若干楽しみづらい部分がある。
悪魔城シリーズはもともと敵の攻撃力・耐久力が高く、「いかにして攻撃を避けるか、見切るか」といったプレイヤー側が成長する必要があった。またアイテム集めも要素としてある。
これらの特徴を精神的に受け継いでいるからか、やはり現代の3Dアクションとしては、少し難しい部分がある。
現代の3Dアクションの大半は爽快感をテーマに据えたものが多く、この
タイトルもそのうちに入るだろう。
ただ悪魔城に爽快感は……あまり合わない。正直に言って、多くのユーザーが地道に敵をゴリゴリ削るゲームは3Dでやりたくないと思っているだろう。アイテム集めも、できれば楽な方が良い。
さらに現代ではどうしても簡単なゲームがウケてしまうため、過去のキャッスルヴァニアより風当たりが辛いだろう…。
……と、不遇なゲームであるのだが、冒頭の通り出来はかなりいい。
いい点としては、
・グラフィックが美麗
・攻略ルートの分岐がある
・ビシュッ!ビシュッ!と一撃一撃に迫力と手ごたえがある
・キャストが豪華
ビジュアル面では、さすが小島プロダクションと言わざるを得ない出来栄えである。
しかしビジュアルがいいだけに、悪い点も目立つ。
・指示通りにやらないと壊せない扉が多く出てきたりなど、「やらされている」感が強い
・一度プレイしたステージをやり直す必要やポイント制で「自分自身の強化」が非常に面倒くさい
・敵が広場で一斉に襲い掛かってくるが、道中で敵が出てくることは少ない
・ムービー中、戦闘中、「タイミングよくボタンを押させる演出」が半端じゃなく多すぎる。
悪魔城はもちろん小島作品も好きだし、悪く言いたくはないのだが、総合で見ていくとやはり70点くらいだろうか…。
しかし1000円台で売られるには惜しいゲームだろうと思う。熱意や丁寧さなら、そこらのゲームに負けないものがある。
「今が買い時!」とチャレンジしてみても決して悪くないだろう。
なかなかいいゲームであると思う。