世界的にも珍しい、ミュージシャンによるミュージシャン伝であり、とても面白かった! 〈青い森〉での出会いは、二人とも濃密に語っていて引き込まれるし、忌野清志郎への巨大なリスペクトに満ちた本、ファンは必読だと思う。(『悲しいことばっかり』RCサクセション オフィシャル・ブートレグ)を聴きながら読んだよ、最高だね!)
以下、目次。 Prologue(泉谷しげる) 泉谷しげる編 第一章 彼の死は認めない 五月二日 / 面会謝絶 第二章 〈青い森〉の時代 はじめて観たRCの衝撃 / 可愛いクレイジー / ギタリストとしての清志郎 / 優しさ / 初共演の日 / 奇人変人大会スタ ート / 葛藤と革命 / フォーク収穫祭 / 〈青い森〉からの旅立ち / 眠れない夜 第三章 どん底から激動の80年代へ あきれて物も言えない / 再会古井戸解散と新生RC / 唄の市’80 / 揺るがない / 自信真夜中の雰囲気一発 / 『スカー ピープル(SCAR PEOPLE)』と『デスパウダー』 / LOSERのコンセプト / 『COVERS』とザ・タイマーズ〜本流から外れるこ とへの不満 第四章 90年代以降の濃密な関係 日本を救え / 30周年記念ライブ / 忌野・泉谷・スパイスマーケット 第五章 友としての幸福な時間 徹夜でゲーム / ファックスと電話 / 音楽談義の思い出 / 子どもの絵 第六章 これから オレの役目 / 頭上の脅威 泉谷しげるの好きなキヨシローの歌 昔はこんな古井戸でした。今は・・・ by RCサクセション 忌野清志郎
加奈崎芳太郎編 第一章 俺は受け入れない ざけんな 第二章 奇跡的な場所 クソガキたち / オーティスの胸板 / RCと古井戸 / 奇人変人大会 / キヨシのプチ家出 / ビートルズのポスター / 個 性と役割 第三章 激動の時代 リミッター / 出入り禁止 / RC、その崩壊と再生 / 古井戸解散 / ソロ・加奈崎 / RC、初武道館の記憶 /『COVERS』 とザ・タイマーズ 第四章 さらば東京 いたずら電話 /『119』 / さらば東京 / 忌野vs加奈崎・ソロ対決 / 反・スーパーシンガー / ラヴ&ピース / ジョン・ レノンの死について話した日 第五章 歌い続けるということ 俺たちの役目 / チャボのノック 加奈崎芳太郎の好きなキヨシローの歌 泉谷しげる VS 加奈崎芳太郎 注釈 / 年譜 / Epilogue(加奈崎芳太郎)
加奈崎芳太郎のアルバムは現在までにかなり多くのものがでているが、これこそが最高傑作だと思います。後年にでたものとはは歌唱法が大きくことなっていて、のびやかな彼らしいゆったりしたボーカルを過不足のないバック演奏とともに味わえます。時はRCサクセション全盛の82,3年。後追いで(古井戸の解散ライブがレコード店の注文でようやく手に入ったが、そのほかのオリジナルアルバムはすでに廃盤。という現在から比べると、考えられない、不遇な時期だった。もちろんこのアルバム自体も注文で入手。)古井戸の音楽にふれた私は、チャボこと仲井戸麗市参加のB面1,2をききながら、古井戸が解散していなかったら、こんなかんじだったんだろうなあと非常に感動したものでした。B2のラストチャンスは仲井戸麗市のオリジナルで、ポップでメロディアスな佳曲。B1は古井戸のラストアルバムで仲井戸がボーカルをとった曲の再演で、加奈崎のこちらと聴き比べができたら面白いはず。もう25年以上も前のアルバムになりますが、今聞いても古臭いかんじはないと思います。今年、還暦を迎えた加奈崎芳太郎はニューアルバムを発表して、ますます精力的に活動中、新しく彼のファンになった人にも、ぜひ聞いてもらいたいアルバムです。
ライブで、ウーマン、天然の進化などを聞き、このアルバムを購入。恐ろしい。恐ろしいほど研ぎ澄まされた感性。割り箸で割り箸の袋を気合で切るなんて技があるが、あれなど簡単にやってしまうだろう。その真っ直ぐな眼差しと声に、「殺されそう」になるが、それはちゃんとわかってくる。「お前を死なせしない」という真剣さ。「俺を死なせはしない」という真剣さ。旅芸人を続ける加奈崎氏の人生の道程、聞けばわかる。夜に聞くと、鋭すぎて眠れないほどだ。個人的にはこのCDには入ってないが「最後の誘惑」が最高である。殺意を持ったアーティスト、それが加奈崎芳太郎である。
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