映画史上不滅の金字塔と言われる「フランケンシュタイン」については、これまでにも多くのことが書かれているので、ここで付け加えることは何もない。フランケンシュタインの怪物の良いところは、恐ろしさの中に何とも言えない悲哀の漂うところだ。その点が、ドラキュラとも他のモンスターとも全く異なる点である。第2作「フランケンシュタインの花嫁」は、我が国では余り評価されていないようだが第1作を凌ぐ名画。
ドイツ表現主義の影響を受けた暗い映像美と、
ハリウッド的ヒューマニズム+メロドラマが見事に結合しており、「市民ケーン」や「カサブランカ」に勝るとも劣らない、映画史上最高の名画の1つと思われる。しかし、私にとって最も嬉しかったのは、20年来見たいと思っていた「フランケンシュタイン復活」を初めて見られたことだ。映画全体の出来としては前2作に一歩を譲るが、話としても良く出来ているし、何と言っても主役の3人(ラズボーン、カーロフ、ルゴーシ)が素晴らしい。ルゴーシは、有名なドラキュラの役よりも、寧ろこちらの怪人イーゴルの方が良いとさえ思えるほどだ。「
幽霊」と「館」は殆ど三文映画の域を出ないが、「館」の方は、モンスター全員集合というアイデアが面白い。最初の三作で、フランケンシュタインのモンスターを演じたカーロフが狂人の科学者として素顔で登場したり、ジョン・フォード作品で馴染みの深いジョン・キャラダインがドラキュラに扮していたりするのも面白い。俳優という点では、「
幽霊」にも、セドリック・ハードウィックやラルフ・ベラミーなどの名優が登場するので、クラシック映画ファンには見どころもある。何しろ4枚組にしては値段が安く、超名作が3本も含まれていて、映像特典も楽しめるのだから、非常にお買い得なセットである。
LD時代からBOX物には色々と手を出してきましたが、正直な話、内容・価格共に満足出来る物は僅かでした。
でレガシーBOXですが、久々のヒット(ホームラン!?)ではないでしょうか?価格を収録作品数で割ると約千円弱。それに同包のフィギュアですが、
業界トップのSIDESHOW社が手掛けているだけあってさすがの出来です。
さて肝心のDVDですが、既発売の
タイトル以外はほとんど映像特典が収録されていませんが、代わりに日本語吹替音声が収録されています。
(こーゆー配慮がうれしい!)
ユニバーサルといえば、特典映像・音声解説等に字幕を入れない、米国版に収録されている特典を省略する等、良い印象はなかったのですが、
今後発売される
タイトルにもこのレベルを維持してほしいと思います。
購入を迷っている方には自信を持ってオススメします。