この映画は1960年に英国で制作されたモノクロ作品です。
実話に基づく戦勝国のイギリス海軍側から見た映画ですが、映画冒頭では
ドイツ最大の
戦艦ビスマルクの進水式
の貴重な実写フイルムが使用されています。
洋上での
戦艦対
戦艦の対戦場面での特撮は素晴らしく、まるで実写フイルムを視るような迫力ある映像となって
います。
また、特撮映像の間にイギリスの複葉雷撃機ソードフィッシュが
空母から発進する実写フイルムも挿入されてい
て、この映像を視るだけでも航空機ファンにとっては価値がある映画だと思います。
ソードフィッシュや
駆逐艦からの魚雷攻撃場面では、海中から見上げたアングルからの魚雷の推進映像が斬新で
迫力満点となっています。
さらに、ビスマルクに直進してくる魚雷の曳航が
戦艦の真横ギリギリに通過していく映像は本当に恐怖感を煽ら
れます。
物語の進捗はあくまでも史実に忠実な戦闘場面であり、作戦司令部における作戦部長ジョン・シェパードと夫人
部隊士官アン・ディヴィスが少しずつ心を通わせていくシーンが所々で紹介されますがドラマ性には欠ける作品と
も言えます。
この映画は、11歳の時に視た映画ですが、以降、再上映されることもなく、また、長い間、DVD等も発売されて
いなかったため、もう、視ることが出来ないだろうと諦めていた映画でした。
当時、小五だったため、
英語も
ドイツ語も全く理解できませんでしたので、映画内の音声言語は
英語と
ドイツ語
だと思っていたのですが、50数年振りにDVDを視てみると
ドイツ軍も
英語で話していることが解りました。
この映画前半で、ストックホルムのカテガット海峡沿岸の小屋で打電中のスパイがマシンガンで射殺される場面
や撃沈され水没する
戦艦ビスマルクの船倉内でのリアルな地獄絵は小学生には本当にショックであり、平和である
ことのありがたさを実感したものでした。
ただ、一つ不思議なことは、国内で公開された当時の邦題が、宣伝ポスター、新聞広告、映画上映前のスクリー
ンにも「ビスマルク号を轟沈せよ」となっていましたが、DVDでは「撃沈せよ」となっていることです。「映画年
鑑」や「映画大辞典」でも現在は「撃沈せよ」となっていますが、いつから邦題が変わったのか未だに解りません。