この本は、5章に分けられている。1章は、この機体の発達史。2章は、ミグ25の派生型の系統図が詳しい。航空ファンなら嬉しい限りだと思う。歴史的にソビエトの航空機発達のことを調べている人には参考になろうと思う。3章は、この
分解図である。写真と精密画で要領よく説明されている。これもこの機体が当時アメリカを中心とする自由主義圏、冷戦の中にあって
調査が出来たためであろう。北海道、函館に強行着陸して亡命したソビエト軍パイロット「べレンコ中尉」のもたらした情報により知られていたからかも知れない。このことは、5章に書いてある。ともかく他のレッドスターシリーズにない詳しさである。図と写真がやたらと多い。著者は多弁になってしまっている。しかし、読む側は満足である。この機体がいかに西側に脅威であったかが読んでいると理解できる。名機の一つであろう。