ジャッキー・チェン主演の永遠の名作「プロジェクトA」の直接的な続編に当たる作品。それを示すように、オープニングで前作のダイジェスト映像が流される。しかし、前作で準主役級のポジションだったサモ・ハン・キンポーとユン・ピョウは本作には出演していないため、少し残念である(二人とも仕事のスケジュールが合わなかったので出演できなかったらしい)。
ストーリーはちょっと欲張りすぎの感がある。いろいろ面白くなりそうな要素を詰め込んでいるが、その容量が多すぎてギリギリのところで袋の底が破れるのを免れているといった印象。特に、ジャッキーが警察署長として配属された地区の治安維持を担当していた汚職警官たちが、これといったきっかけもないのに急にジャッキーに協力的になるシーンには違和感を覚えた(それまでは、安月給に命はかけられないと言って、警官を辞めると言っていた奴もいたのに)。
また、ジャッキーが敵に罵倒されたりボコボコにされたり苦戦したりと、圧倒的に強いジャッキーを知っているファンにとっては、観ていて歯がゆくなるようなシーンが多い。まあ、もちろんそこは娯楽映画(それも娯楽大国・
香港製の)なので、ちゃんとジャッキーが反撃してくれるのだが、「耐え忍ぶ美学」というのが苦手な私は、かつて東映の製作していた高倉健主演の任侠映画を連想してしまった。
ただ、ジャッキーの名誉のために言っておきたいのだが、本作でも彼は超人的なアクションをしっかり見せてくれる。凡百のアクション映画が束になって掛かっても敵わないようなアクションを。しかし、上記のように出演陣の地味さ、そして前作に見られたような観客の度肝を抜くアクションシーンは見られなかったため、☆は一つ減らすことにした。しかし、本作は間違いなく
香港カンフーアクションの秀作の一本である。