私自身は東京に住んだ経験はありませんが、昔姉が下北沢に住んでいたので何回か行ったり泊まったりしたことがあります。
”シモキタ”は雑然として若者があふれる街、というのが私の印象です。
この映画はその下北沢にたむろする老若男女の日常を捉えた作品。
起承転結のあるストーリーとは異なり、回しっぱなしにしたカメラ映像を後から編集したような印象さえ受けます。
彼らの生活、今の時代の雰囲気を切り取って残しておきたい、という制作者たちの気持ちが映像からにじみ出ていました。
主人公の有希(北川智子さん)はNHKの朝ドラに出てくるような清楚な人で、彼女の目を通して風景・光景を見ているような錯覚を起こしそう。
たむろするカフェではいろんな人に囲まれてくつろぐ一方で、ヒトとヒトとの関係がやや希薄な都会の孤独感も描かれていて、不思議な浮遊感を醸し出しています
夕刻に住宅街の踏切を電車が通り過ぎるシーンが何度となく出てきますが、あの光と闇のバランスが”雑多な東京の今”を象徴しているような気がしました。
30年後に「こんな時代があったなあ」と懐かしむ人が多いんじゃないかな。
評価は東京に住んだことのある人とない人で変わりそうですね。
※ 有名人・有名俳優がチョイ役でたくさん友情出演しています。フジ子・ヘミングさんんがピアノを弾いたり、スナックのママが
鈴木京香だったり。