ついにターンAのBlue-ray登場である！！
しかし、TV版ではなく劇場版・・・
ターンAは本当に大好で、自分の中では非常に特別な作品なのですが、
それはTVシリーズに限っての話で、この劇場版に関しては自分は正直あまりいいとは思っていません。
それでも、ターンAファンとしてはやはりBlue-rayクオリティーのターンAには惹かれるわけで、それに自分は今までDVDもまったく所有していなかったので、特典のパンフレットや安田氏の書き下ろし
ジャケットなどは是非手元に置いておきたいと思い購入を決意しました。いちよう初回限定というのにもそそられた、かな。
（念のため、発売後はすぐには買わずに、皆さんの意見を待ってから、問題なさそうだなというのがわかってから購入しました。たまーに、ほんとひどい仕様とかありますからね。）
で、パッケージについては、みなさんがおっしゃっていた通り、
安田氏イラストの
ジャケットはスリーブ仕様で、逆襲のシャア、F91などでもそうみたいですが、パンフレット、帯がケースに
収納できないため、それだけ別の場所に保管するといった具合です。ホント、めんどくさくて、一緒に
収納できれば言うことないのですが・・・（まあこれはわかっていたことなので諦めはつきますが）
ただ安田氏のイラストはやはり素晴らしいですし、各巻にはそれぞれ解説書がついていて、その富野監督のインタビューがなかなか面白い！（キエルとディアナのエピソードは「とりかへばや物語」を参考にしているとか、打倒ワンピースとか、監督自身の劇場版の反省点など、いろいろ興味深い！）
これ監督がユニコーンとか００とか言ってるので、もしかしたらBlue-ray用に新たに用意したインタビューなのかな？
とまあこの解説書を含め特典の内容に関してまあ満足といったところです。
で、本編について。
まず映像。これはBlue-rayという事で、格段に綺麗になったなー、という印象はなかったのですが、おそらくDVDと比べたら格段に画質はあがっているはずです。これはおそらく絵の質感を保ったまま自然に画質が上がっているタイプなのでしょう。問題はないと思います。
で、内容です。ここから先長くなりますが、どうか書かせて下さい！
最初に私は劇場版はあまりいいと思っていないといいましたが、
この劇場版というのは、ターンAファンのあいだでも賛否両論ある、そんな作品ではないでしょうか。
否定派の意見の大多数は（私もそうですが）、とにかくTV版全５０話を２本の映画でやるにはあまりに尺が短すぎて無理がある,これに尽きるのではないでしょうか。結果単に話をさらうだけで、その作品の持っていたよさのほとんどが表現されないまま終わってしまうと・・特に【地球光】は尋常じゃないぐらい話が早いといわれることが多いですね。
（ちなみにTV版の総集編路線の劇場版って、他の作品でもたいがいこうなってしまっていて、成功した作品のほうが少ないのではないでしょうか？たとえばイデオンの劇場版＜接触編＞や、最近でいうとコードギアスの総集編もひどいみたいですよね・・）
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一方で、よしと見る肯定派の意見としては、富野監督の見事な編集、構成の妙によって（これ、監督は自画自賛ですね。ユーチューブのインタビューで以前観ましたけど。）TV版とはまた違った、最後まで一気に見せる、そんな勢いのある作品に仕上がっている、といった意見をききますね。
で今回、
前回劇場版を見てからちょうど約１年、わりと期間を置き、TV版の記憶も少し薄れ、新たな、さらな気持ちで、今一度この劇場版について判断しようという気持ちで鑑賞に臨みました。
すると、
【地球光】に関しては、以前感じたほど前半の話の早さは気にならない。むしろここはまさに富野監督の編集のうまさを感じる。そして中盤、ターンA屈指の名シーン、墓参り。ここは菅野よう子が劇場版用に書き下ろした新曲もなかなかよく、悪くない！
で、ザク登場！！ 〜 演説シーン 〜 クライマックスへ。
地球光、そんなに悪くないじゃん！という感じ。
しかし、【月光蝶】
これはやはり駄目だった。
まずいきない間のエピソードがかなり省略されて始まります。
これ、解説書などによると、その間は視聴者が自分で想像すればよいと、その手がかりは記されているし、それによって作品として新たなよさも生むのだ、みたいな事が書かれているのだが、
うん、たしかに手がかりはある。でもこれ、ターンA初めての人にとってはおそらくかなり意味不明なのでは？と思うし、自分にはやはり無理があるとしか思えない。
結果、この省略がこの後にも影響を及ぼし、地に足が着かない感じというか、話がただ流れいってしまう・・
後半クライマックス近く、月の女王ディアナのディアナカウンターへの帰還。ここはTV版だとほんとにいいシーンだったはずが、もはや、するりと頭の中を流れていくだけ。
そして、エンディング、TV版なら、ここでほんとに「あー、今までこの作品を見てきてよかった、この作品に出会えてよかった」と思える奇跡的名シーンのはずが、これまたほとんど引っかからずに流れていく・・
尺が短すぎる、これに尽きるのかな・・
編集的には富野監督、おそらくこれ以上ない手腕を発揮したと思う。（相当時間かけてますから！）
けれど、自分にはやっぱり作品としていいと思えない。
で、そもそもターンAってなにがよかったのか考えてみる。
TV版全５０話という壮大な時間の中で、ゆっくり、（これが大事！）
ゆっくり語られる、身近な人々の暮らしであったり、地球と月それぞれの側の立場。
その中で、心にぐっとくる名シーンがいくつも刻まれ・・
そして徐々に明らかになっていく黒歴史の謎とともに、いよいよ過去のガンダム、宇宙世紀へとつながっていく。ザクが登場し、いっきにガンダムファンはテンションが上がる。（初代ガンダムも出てきます！）
そしてギャロップ、カプルと次々に往年のモビル
スーツも登場。（なんと渋いセレクト！！）
安田朗の魅力的なキャラと巨匠シド・ミードによる圧倒的に斬新なメカが融合することで生み出される唯一無二のターンＡワールド。（この富野監督のキャスティングはホント奇跡的としかいいようがない。）
気がついたらもうどっぷりターンＡの世界に引き込まれているのである。
そして、過去のすべてのガンダムを締めくくる、ガンダムの、本当の、真のラストが訪れるのである。
その圧倒的なカタルシス！！
アムロやシャア、カミーユ、ハマーン・・・過去、本当に様々なドラマが、悲劇がありました・・そんな過去の、敵も見方もない、みんなのすべての想いが、このターンＡによって最後に救われるのです！
∀ガンダム、本当に素晴らしい作品です。
そして自分は、絶対的にTV版をお薦めします。
特にまだターンAを見たことがない人にはこの劇場版はお薦めしません。
先に見るか、後に見るかという話もありますが、先に劇場版をみてその結末だけを知ってしまうというのは、とてももったいない気がします。
初めて見るときの感動というのは特別ですからね。
という事で、私はTV版のBlu-ray発売をこれから楽しみに待ちたいと思います。
一体いつになるのか・・・ 長々と失礼いたしました。
