第3部と第4部の後半。原作で言うと、14巻終わりから26巻に相当する。この後半部分こそが、あだち充が書こうとした
タッチの真のメインテーマが描かれるクライマックスとなる。
当時、連載を読んでいた人ならば実感していると思うが、この後半、物語のトーンはかなり変わる。
前半は、和也の死という場面がありつつも、「
みゆき」や「陽当たり良好」など80年代前半から中期にかけてのあだち作品特有のコミカルさというか、かなり明色のストーリーであったものが、後半はかなり陰影の強い展開になる。
アニメでは、その部分を大分アレンジして、というかコメディ
タッチの部分を強めてはいるが、それでも前半とはかなり印象が変わってくるだろう。
それは、「兄弟の相克」「死んだ弟の残影との戦い」という、いよいよ
タッチ本来のメインテーマに踏み込んでくる為だ。
ウィキペディアの人物紹介でも書かれているが、後半の達也は余り笑わない。否、「笑えなくなった」のだろう。
原作のかなり後半になるが、孝太郎が突き刺すような言葉を掛けている(孝太郎に悪意はない)。
「和也が死んでからのお前は、幸せの独り占めだな」
「独り占め、か。いいんだよ、それで。誰よりも一番それを望んでいるのが和也だと思うからな」
(※この孝太郎の台詞はかなり達也に痛烈に突き刺さったらしく、地区予選決勝の前日、和也の墓前で南と偶然出会った時に、達也は「和也が死んでからのお前は、幸せの独り占めだな・・・」という言葉を思い出し、和也への罪悪感に苛まれる。この瞬間の達也の表情と心象描写は極めて秀逸。もはや漫画の水準を超えて、一流の文芸作品に匹敵するとさえ言える)
このように、後半の達也の陰影の強さは、全て「死んだ和也の残影」の呪縛との戦いに集約されている。
だから、達也は笑わない。笑えない。
そして、南は生前の和也を共に知る立場ゆえに何も言えない。
新田明男は鋭く洞察する。自分は、死んだ和也になりきってくる男と戦うことができるが、
「だけど、あいつは・・・上杉達也は、いったい誰と戦えばいいんだろう」
(ただ、この部分の新田の心象描写がアニメ版では改変されている。原作の新田はあくまでも上記のように「和也と戦いたい」と言っているのに、アニメではそこを変えてしまった。また柏葉兄弟の関係性描写も原作は綺麗事で書かれていないのだが、アニメ版ではかなり「綺麗」に描かれてしまっている。この辺りは多少残念な部分だ)
私は、この
タッチの後半部分が好きだ。
歴代のあだち作品の中でも、
タッチ後半部分の各登場人物たちの心象描写は神がかっているとすら言える。
そして、その極めて再現の難しい原作を、このアニメ版はほぼ忠実に再現できている。(一部、原作の「毒」が薄まってしまっているが・・・)
ありふれた表現ではあるが、「不朽の名作」と断じて不足なし。
【デザイン】
ブラック&クリアでまぁまぁ良いと思います。ただ、ベゼルが太すぎる。
MacMiniとは上手くマッチしている。
【発色・明るさ】
少し明るめ。でも好みです。
【シャープさ】
今一つ。
iMacの画面などと比べると残念。もう少しクッキリして欲しい。
【調整機能】
ボタンの位置が分かり難い。何度かやり直しになってしまい、イラっとする。
【応答性能】
動画などは特に問題なし。自分はゲームをしないので、これで十分です。
【視野角】
特に問題なし。
【サイズ】
ベゼルの太さのため、最近の23インチと比べると横幅はある。また独特なスタンドのせいか意外と奥行きを必要とする。
【その他】
bootcamp上のWindows8.1で
タッチパネルが動作するのか若干不安だったが、全く問題なし。
タッチの感度は良好。
USBのチャージ、ハブ機能は意外と助かる。
また前モデルの評価で散見されたスタンドの硬さも無く、バネ式になった模様。しかし意外と角度の微調整が困難だった。
【総評】
色々と微妙なところはあるが、全体としては買って良かったと思います。
タッチ機能の無いグレアパネルは20,000円以下。その倍の価格ですが、Mac上で走らせるWindows8.1を
タッチパネルで操作するという、ちょっと変わったことができるので、個人的には満足です。(ま、最初の数週間だけかもしれませんが・・・)
横レバーを回転させて原水と浄水を切り替えるタイプのを使っていたのですが、レバーの回転が渋く重たくなり、回転シャフト付近から水漏れもしていたので、もう寿命かと思い買い替えました。上下切り替えのレバーを親指と人差し指で摘まむ様に動かすので使い勝手がいいです。