主人公もストーリーも違うのでシリーズこの作品から読んでも大丈夫なはずです。
自分は後半部分になるまで気付かなかったのですが、過去の事件のトラウマを抱えた女性警部補が猟奇的な犯罪者を追い詰めるストーリーって「
ストロベリーナイト」だよね、と。
鳴海ヴァージョンの「
ストロベリーナイト」という感もありますが、登場人物のキャラクターもいいし、最後の最後まで息をつかせぬ展開をみせてくれます。
ちょっとグロい描写もありますが(鳴海作品には恒例のこと)、読後感も悪くないです。
根岸吉太郎といえば今や「ヴィヨンの妻」で超有名になっているが、高橋伴明や相米慎ニと同じ和製ディレクターズカンパニーの一員。この作品もさすがというでき。高橋伴明の「火火」や相米慎ニの遺作である「風花」など彼らの作品は今も素晴らしい。
この作品も東京で失敗して北海道へ戻ってきた主人公(
伊勢谷友介)と勝負で力を発揮できず引退を迫られた馬(雲竜)と騎手(
吹石一恵)の再起を描いたドラマだが、決して
ハリウッド的なサクセスストーリーではなく、邦画の伝統を守った人間の心をしっかり描いており最高の出来になっている。
朝靄のなかの白い息を吐く馬の調教シーンは美しい。そして、挫折した人間ともう終わりに近づいた馬がシンクロし、再起を賭けて動き出すくだりは胸をうつ。
何と言っても素晴らしいのは、物語を引っ張っていくのは主人公の兄である調教師の
佐藤浩市とまかないの
小泉今日子。特に
小泉今日子が
佐藤浩市を慕っていながら、「もう男の人と一緒にやっていくのも...」というシーンは日活ロマンポルノ時代の根岸作品等ディレクターズカンパニーの面々の作品を思い出してジーンときてしまった。
また、調教師の大将の
佐藤浩市の存在感がなければ主人公伊勢谷のだらしなさや再起の重みも出せなかっただろう。音楽も静かにドラマにマッチしており雰囲気を盛り上げる。
伊勢谷祐介は終始同じ演技で変化が見られないが、そこが無責任な
起業家を逆に良く表している感じがした。
この作品に描かれたばんえい競馬は通常のサラブレッドなどの軽種馬ではなく
体重800〜1200キロの「ばんえい馬」(重主馬)が騎手と重量物を積んだソリを曳き200メートルのコースを2つの障害を越えるレース。今ではこの作品の帯広競馬場でしかレースが行われていないそうだ。
そんなところもこの作品の地味ではあるが、魅力のひとつなのかもしれない。
ユースケさんも、
大沢たかおさんも、
高岡蒼佑さんもかっこよかったです!
テレビでたってたそうですけど知りませんでした。
高岡さんのファンなので見ましたが。いまいちでした。
すこし前のDVDなのに凄く綺麗でした.また宜しくお願いします..