山風短(2) 剣鬼喇嘛仏 (KCデラックス)
青龍寺忍法の結果、十月十日離れられなくなった与五郎・登世の、これはラブストーリーである。
登世の純情さ・健気さが可愛い。
細川与五郎の宮本武蔵に対する執念を、登世の純愛がどう包みこむのか…
ずーっとやりっ放し状態の筈なのに、そこに描かれているのはプラトニック・ラブそのもの。
稀代の名作だと思う。
幻霧ノ塔ト剣ノ掟
戦闘やダンジョンはウィザードリィ
キャラの育成システムはソードワールド
グラフィックはアメコミ作家のマイク・ミニョーラ
という印象のゲームだと思います。
SFCのソードワールド・シリーズにハマっていた私には
キャラクターの育成が懐かしく非常に楽しめました。
個人的には、ウィザードリィ好きというよりは
ソードワールド好きやマイク・ミニョーラ好きにお勧めしたいゲームです。
ウィズライクのゲームは今も沢山新作が出ておりますが
ソードワールド風育成システムやミニョーラ風グラフィックのゲームは
非常に珍しく、貴重ですから。
山風短(1) くノ一紅騎兵 (KCデラックス)
あの「山田風太郎」の短編をマンガ化していく企画らしい。短編だから1冊完結。よみやすい。
ある遊郭で美女を前に上杉の武人たちが集まっている。実はこの美女、どうしても直江山城兼続にお仕えしたいと言う。しかし女性は直江に仕えられない。
すると美女・陽炎はいきなり諸肌脱いであぐらをかくと、そこには平らな胸と立派なイチモツが。
実は美女ではなく美少年・山十郎だった。
山十郎は首尾よく直江山城に仕えることとなったが彼の目的はなんと、直江から「兼信に愛された衆道の奥義」を教えてもらうこと。
ここで回想にでてくる直江の絶世の美童ぶりったら。戦国大名の好みの美童っていうのは女性的なものではなく、あくまで武者っぷりなんだけど、直江の若き日のやんちゃなかわいらしさったら、「その武者ぶりは花に似て なお鬼神のごとく 恐れられたり」とまで言われて(はあはあ)。←まあ一コマなんで落ち着け。
その「衆道の奥義」を直江から直接手ほどきをうけた山十郎は(手ほどきが見たかったよ!!!)武田景勝の屋敷に小姓として入るんだけどここで直江直伝の衆道の奥義が炸裂!!
そんで景勝は山十郎を抱きながら(ああ、これは山城、さすが山城)と感慨にふけったりして。
で、山十郎が体調が悪くなって直江の屋敷に引き取られ、数ヶ月後、直江が一人の赤子を抱いてくる。その子が景勝と山十郎の子だという。
ここが山田風太郎!
景勝「ばかを申すな!! なんたる世迷い言を!? 山十郎は男ではないか!!」
直江「快美恍惚の涅槃境 においては 男子でも 孕む ことがござりまする!」
景勝「や、山城……この景勝をコケにするか!!」
直江「殿……衆道の世界の極まるところ "背孕み" ということがあるのでございます」
景勝「マジ?! 」(←言ってない)
まあとにかく物語はこのあと一気に急展開で、最終的に山十郎は上杉のために戦って命を落とすんですが、オチに賛否両論あるようですが、私はOK。ただ山十郎は○○○じゃなくてほんとは○○○○だったんじゃないかとさらにひねって考えてみてます。
最後に直江に向かって「背はらみの秘法……その愉しさ あの世まで決して忘れはしませぬ」とほほえむ山十郎は美しかったですよ。
影の塔
高評価が多いですが、個人的には微妙かと思う。
ICOをリスペクトしたような雰囲気で、影になった少年が主人公。
プレイしていて面白かったのは
実際の景色よりも後ろに存在する影を見ながらゲームを進めると言う事。
これはなかなか新しい体験で最初は楽しく遊べていました。
ステージの仕掛けも、光の角度を変えて影を伸縮させたり、
視点を変えて影の当たる方向を変えたりと趣向が凝らされている。
でも遊び慣れるとひたすら地味なので、
どこまで塔を上り続けるんだろう?みたいなダルさを感じます。
ゲームにありがちなボスを倒した時の爽快感や、
謎を解いた時の達成感を満たすような演出が無いので、
そう言うゲームが好きな人には向いていません。
影が題材なので、あえて全体的に地味なトーンで統一して作ったんだろうと思いますが、
もう少しステージごとの達成感や、爽快感を満たす何かが欲しいと思いました。