マドリードの熱い奇跡 (ハーレクイン・ロマンス)
2年ぶりに偶然マドリードの空港で再会した男女が織りなす、めくるめく嵐のような1日(厳密には2日間?)を描いた物語。
2年前から友人の妹に密かに恋する、エミリオ。
エミリオに憧れながらも、彼はいまだに別れた妻に恋をしていると信じる、メーガン。
男女の対話が魅力的なのがキム・ローレンスの作品の特長ですが、今作もストーリーの大半はこの2人のやりとりのみで語られます。
両想いだとお互い知らない、エミリオとメーガン。
2年前の気まずい出来事以来、初めて顔を合わす2人の間に一体何が起きるのか?
エミリオはメーガンをはたしてくどきおとせるのか?
今作では前半はマドリードの空港、後半はエミリオのアパートメントと場所も動かず、
エミリオの元妻ロザンナと、ロザンナとの結婚を望むメーガンの異母兄フィリップもストーリーには絡むものの、彼らの出番のほとんどは電話なので
読者は舞台でお芝居を観ているような感覚で、にやにやしながら2人の恋のなりゆきを見守ることになります。
さらりと楽しく読めて、読み終わった後もほのぼのとしあわせな気持ちになれる作品です。
ドラマティックなストーリーを読みたい方、派手に感情をゆさぶられたい方には物足りないと思いますが、
ストレスなく気楽に読書を楽しみたい方にはおすすめです。