処女の泉 [DVD]
大自然を背景に物語りは極めて緩やかな牧歌的雰囲気の中で進行します。しかし、やがて心を揺さぶられる悲劇が・・・。そしてそれが新たなる悲劇を重ね生んでいきます。ベルイマンの真骨頂である陰影深き画面とその中に浮かび上がる人間のシルエットはあいかわらず美しいの一言。静かで格調高い演出とその画面が寸部の違いなくかみ合っているさまは筆舌つくしがたいほど麗しい映画的雰囲気をかもしだしています。人の愛、その愛を貫きたいと願うばかりに同じ人の背負う業をこれほど悲しく、気高く描いた作品は希なのではないでしょうか。観終わったあとに、脱力しながらも心の洗われた思いがするのは、やはりベルイマンの術中に見事にはまってしまっているからなのでしょうか。
イングマール・ベルイマン コレクション [DVD]
日本では劇場未公開に終わったイングマル・ベルイマン監督の貴重な3作セット。うち68年の2作(「狼の時刻」「恥(の季節)」)はおよそ25年前にTVの深夜放送で吹き替え版が公開されている。この2作は共にリブ・ウルマン、マックス・フォン・シドーというベルイマン一家の中でもベストキャストを競演させた数少ない作品で、日本でも公開された「(仮面)ペルソナ」及び、初カラー長編でやはり日本では劇場未公開に終わった「情熱(の島)」(=TV放映時タイトル、やはりウルマン&シドー共演)と共に、60年代後半を代表するベルイマンの傑作だ。今の今まで日本で劇場公開されなかったのは誠に不思議だ。固唾をのむほど緊迫感のある人間関係を描くのがうまいこの大巨匠だが、この2作は激動の60年代後半という特異な時代状況が作品にも色濃く刻印されており、ベルイマン作品中、最も過激な印象を受ける作品である。とりわけ内戦の悲惨さをえぐった「恥」にみる静かな怒りは、これまでのベルイマン作品には無い種類の情感だ。一方、78年の「蛇の卵」はディノ・デ・ラウレンティスが製作、リブ・ウルマン、デビッド・キャラダインが共演した大作。ワイマール共和体制下のユダヤ人たちの不安と緊迫の日々を描き、これまたベルイマンには珍しく政治的な題材を扱った作品。先行発売の米国盤と同仕様ならば、欧州の旧作映画には珍しく暗部階調性のある比較的高画質なソフトになるはず。
ドヴォルザーク:スターバト・マーテル
スターバト・マーテルは修道士が作った詩に曲を付けたもの。ペルコレージの作品が有名ですが、ドヴォルザークのこの曲は合唱部分が多く教会音楽の良さを感じさせてくれます。演奏がまた、なかなか素晴らしい。やはり、ヨーロッパの音楽文化は、キリスト教の教会音楽とは切り離せないもので、年中行事の一つとしてこの曲は演奏されているものと思われます。歌いこまれたヨーロッパの教会音楽の優れた演奏と思います。
制服処女のいたみ NYK-207 [DVD]
にっかつの買取作品で、美保純さんのデビュー作でした。DVD化を長い間待ち望んでいた作品でしたが、欲を言えば予告編などの特典映像が入ってなくて少し残念です。それでも純ちゃんファンには貴重なDVDが実現しました。