蘭方姫医者書き留め帳一 十字の神逢太刀 (小学館文庫)
著者はお茶の水出身で大学名誉教授である.もう高齢だから心配だ,と失礼な心配をしたが,飛んでもない杞憂どころか,いまの若い人には望めない正規の江戸-東京語による素晴らしい物語だった.内容は上の紹介の通りで,三篇入っている.あわてず急がず,話は粛々と語られる,その雰囲気がいかにも時代物にぴったりで,それでいて内容は意外に奥が深い.久しぶりに心から満足できる話を聞かせて頂けて,嬉しい.若い蘭方医のお姫さまのシリーズはこれが初回である.またの機会が楽しみだ.
江戸の蘭方医学事始―阿蘭陀通詞・吉雄幸左衛門 耕牛 (丸善ライブラリー)
これまであまり取り上げられることのなかった蘭学者にスポットライトを当て、蘭学史の一ページを描き出したものである。
吉宗公の江戸の中興時期に生まれ、オランダ語およびそれを通じた医術習得、ツュンベリー(ツンペリ、ツンベルグ)や杉田玄白・平賀源内らとの幅広い交流、そして著作や後進の指導を、綿密な資料調査からつまびらかに描く。
派手さはないが、寡黙かつ誠実にオランダ語学・医学および自然科学一般に貢献し、それは広く西洋文化一般・論理と実証を重視する近代精神に通じる姿勢に通じるものであった。
蘭学史というと「解体新書」「蘭学事始」ばかり取り上げられ、また吉宗時代の野呂元丈、青木昆陽らが比較的知られているが、その間をつなぐ蘭学史を本書は示してくれる。
flying DOG コレクション テーマソング・アーカイブ 80’s PartII
日本ビクターのアニメ関連商品のレーベルとして新設(復活?)した
flying DOGのテーマソングコレクション第2弾。
さまざまな事情により現在では入手困難なタイトルを手軽に聴けるという意味で、
この手のコンピレーションアルバムはありがたく素直に評価したいです。
基本的にOP曲とED曲(もしくは相当する挿入歌)がセットになっており
目当ての作品が含まれていれば一気にどちらも聴けるのでお得です。
OP曲またはED曲のみのコンピレーションも他に存在しますが、
比較すると収録作品数は当然少なくなります。
どちらが良いかは判断が難しいところです。
ブックレットもシンプルですが丁寧に作られており、歌詞の下に簡単な
作品データも記載されています(放映期間、放送局、声の出演など)。
ただ一点気になる部分がありました。
ブックレットの断り書きに「一部お聞き苦しい箇所」があると書かれています。
「オリジナル・マスター・テープに起因するノイズ、音揺れなど」であるので
了承願いたいと。うーん、これはどうなんだろう。
今回収録された作品はすべてタイトルにもあるとおり’80年代のものですし、
現存するマスター音源も相応に劣化していることも想像できます。実際に聴いてみて
許容できないレベルではありませんが「ああ、ここかな」と思う箇所もあるにはあります。
修復が可能であるならリマスタリング等の措置をして欲しかったかな、というのが
正直なところです。せっかくの企画なんですから。その点で評価を星4個にしました。
しかし懐かしさと共に昔の楽曲の素晴らしさを再発見できる良いアルバムでしたし、
今後もこのシリーズが続くのならば購入してもいいかなと思っています。お薦めです。
乱峰の荒鷹―タザリア王国物語〈6〉 (電撃文庫)
前巻が出版されてから長かったですね。
今回はスゴく黒い人がやたらと頑張ってみえました(苦笑)お節介な程な気もしなくはない感じでしたが。後は女の子の出番が少ししかなかった感じですかね、後は読んでからお楽しみ下さい。
さてナフタバン編も佳境に入ってきたかんじです、次巻でなナターシも追いついてきた所なんで面白くなりそうな予感☆