味のある旅―味覚道中記 (旺文社文庫)
1973年に東京堂出版から出た単行本の文庫化。
著者は漫画家。
日本全国で食べたものをイラスト付きで語ったエッセイ。札幌の味噌ラーメン、郡山の鰻、上野のスッポン、氷見のうどん、吹上浜の松露などなど。富士山頂で汲んできた水で湧かしたお茶の話なども。
グルメを目的とした食べ歩きというよりは、旅先で何気なく口にしたものの記録といった内容。
文庫版ではイラストが死んでしまっている。もともとはカラーの可愛らしい詳細な絵だったようだが、それが縮小され、白黒になり、かすれて細部が見えなくなっている。残念だ。おそらく、イラスト部分が本書の一番の魅力なのだと思うのだが。