対人関係療法でなおす トラウマ・PTSD
トラウマ・PTSDの患者は少なくない。
うつ病や、境界性パーソナリティーなどと思われている患者が多い中、
この本には、鑑別点とPTSDの様々な症状が書かれてある。
水島先生らしく、対人関係療法を元にして書かれてあり、非常に分かりやすい。
患者さん、患者家族はもちろん、専門医にも読んでほしい一冊である。
本を読んだ患者さんが、「これを読んで、とても心が温かくなりました」と、
言った言葉が忘れられない。
これは、このシリーズの中で1,2を争う名著だと思う。
トラウマティック・ガール
07年発表、自主レーベル「CHAMP RECORDS」初のリリース作。プロデュースはナンバーガール、ZAZEN BOYSの向井秀徳で録音も氏のスタジオで行われた。
録音の環境がガラッと変わったのもあってか、メジャー在籍時のあの微妙に音割れしているような感触がなくなった。同時に音質がクリアとなったわけだが、かつての音に慣れ親しんできたリスナーにとっては最初はなかなか受け入れ辛いものになっているかと思う。まぁ、これは録音技術の向上に伴うもので、あらゆるバンドにいつかは起こることだし、良い環境で録れるならそれに越したことはないのですが。
というわけでそんな環境も手伝って生まれていたあの少し汚く、汗臭いくらいが心地良かった過去作と違って、録音の向上により各々のパートの良さが浮き彫りになっているのが面白い。ギターは向井氏の助言と指導により、ZAZENっぽくなるのは必然、ここに松木泰二朗のファンの多くが揺れ動いたかもしれませんが、「Don't Stop the Music」の延々と続いて欲しいと思わせるおおらかなリフをはじめとして、地下で踊るにふさわしいアングラ具合が今作からいきなり高すぎで、リーダーの悪い一面を見たような気分でむしろラッキーなのでは?というのが個人的な感想。もちろんナガイケジョーの這い回るベースに、シンバルの音中心にしつこくなったMOBYのドラム、そしてイントロの空白のキャッチーさと合わさって、懇願するような様が凶悪な「Roppongi」に代表されるコヤマシュウのボーカルも同様で、メディアへの露出が昨今と比べて多くなったのもおかまいなしの暴れぶり。
近年のライブの佳境ではお約束の「ロックンロールは未定」が気に入ったら、是非生で体験しに行ってください。「Little Sweet Lover」や「Back On」とは違ったタガの外し方もやはり今回のスタジオ録音の影響が強いかと思います。
独立したことにより、孤独が強まりヤケクソ・ヒステリックになった部分も垣間見えるファンキー4の新たな第一歩にして意欲作。彼らなりのアングラな要素は次回作で新たなマスタリング技術者・スタジオが加わることにより、更に強まっていくこととなる。だが、それでもファンキー4は誰にでも優しい。決して閉じこもっては、演奏している人間だけにしかわからないような間口の狭い音楽を体現していこうとする彼らの姿勢を何よりも応援していきたくなります。正直、作品が楽しみなのはもちろんだけど、出来ることなら彼らに直接お金を出資したいくらいだ。
人生を変えるトラウマ解放エクササイズ
この本を買ってエクササイズをしてみました。
最後のほう、振動がすごくなったのでびっくりしました。
その間は、なんとも言えない気分になり、
「あぁ、大変だったね〜、ありがとね〜」と緊張を抱え続けてきた
身体に言ってあげました。
生きている限りストレスからは逃れらないですし、ありもしない不安を感じてトラウマを抱え込んでしまうのが人間だと思います。
自分でエクササイズをすることによって、トラウマが解放されていくのなら
こんなに良いことはないです。お薬と違って副作用もないですし、セラピールームに長期間通う必要もなくなります。
エクササイズ後は今までになくよく眠れましたし、続けてみようと思います。今後の心身の変化が楽しみです。
心と身体をつなぐトラウマ・セラピー
訳者あとがきにみるとおり、「心」と「身体」を二つに分けず、同じ有機体の二側面としてとらえるアプローチの仕方は、アメリカの心理療法においてかなりメジャーになっている。
マインドフルネス、フォーカシング、ハコミセラピー、プロセス指向心理学など、臨床に適用されているそれらの発達は目覚しい。
本書では、「ソマティック・エクスペリエンス」という耳慣れない手法を紹介しているが、風変わりで新奇なものではなく、いい意味で上記の技法の伝統と成果を踏まえ、理論化、手法化したものとの印象を受けた。
特徴的なのは、タイトルにあるように、そうした技法の焦点を「トラウマ」にあて、「トラウマ」を身体経験と不可分のものとして分析しているところだろう。
あくまでトラウマには専門家の援助が大切と主張しながらも、一般の読者が実践し役立てる事のできるエクササイズが紹介されている。
身体感覚(フェルトセンス)を分析、判断するのではなく、ただ「観察する」「気づく」だけであるのが大事だという。
そして、治療の際に、トラウマそのものに焦点を当てた場合、新たな感情的なショックを引き起こす可能性があり、それは見たものを石に変えるメデューサの首と直面するようなものであるという。トラウマを「成長の可能性」「蓄積されたエネルギー」として肯定的にとらえ、身体感覚のほうに治療プロセスの焦点を当てる事によって、「メデューサの視線から身を守る盾」とする事ができるという説明は、優しく、納得のいくものだった。
また、紹介されたエクササイズが、ヴィパッサナー瞑想法における「ボディスキャン」と近似することもとても興味深い。
著者の「癒しのプロセスは、劇的でなければないほど、またゆっくりと起これば起こるほどより効果的である」という言葉にも励まされる。
発見した技法の成果を、あくまで臨床に還元しようとするアメリカの心理学界の姿勢も評価したい。
本書を読んで、人間が、決して頭だけで生きているのではないという実感が深まった。
インターネット社会においては「電脳」という言葉に示されるように、「身体」の存在を置き去りにしがちだ。その時代において、こうした「身体」を含めた総体の復権の流れは、ますます重要さをましてくるものだと思われる。
トラウマ/鮮血の叫び スペシャル・エディション [DVD]
イタリア人監督のアルジェントはアメリカ映画のような作品を撮ろうとしたのだろう。『トラウマ』はアルジェントにとって新しいタイプの映画だ。スリラーであるが、ラブストーリーでもある。ホラー映画であるが、現実的な話だ。『オペラ座/血の喝采』が不可能な愛の物語であるのに対して、『トラウマ/鮮血の叫び』は愛が病気を治す物語だとアルジェントは説明する。『トラウマ』は暴力だけでなく、愛や病気、麻薬問題など、いわゆる人生を語っている作品である。
この映画はストーリーのテンポが速く従来のアルジェント作品とは異質だ。アルジェントが監督として確実に成長し続けていることを示す新しいテーマを持った作品といえる。