バビロニア・ウェーブ
堀さんの作品を読むのはこれが2作目。1作目は「遺跡の声」だった。
今回読んだこの作品もすごく面白い。導入部分から自分も物語の宇宙空間の中にいるような気分にさせてくれた。290時間の慣性飛行の間の描写は、普通であればつまらないものになりかねない。しかし、その間も作者は、主人公マキタの思考を書きつづる。「太陽系空域の境界はどこにあるか」。通信士、操縦士、宇宙観測基地の観測員のそれぞれが、境界を全く違うスケールで捉えているという描写はリアルで面白い。12ページ目で早くも「バビロニア・ウェーブ」という言葉が出てきて、それについての概略もほどなく語られるというスピード感は、自分にはぴったりだった。
操縦士である主人公マキタは何も知らないまま次第にとあるプロジェクトに巻き込まれていくのだが、知らないが故に色々と質問し、そのことで読者もまた謎を一つ一つ解決していくことができる。このマキタ、スペースコロニーの出身者で、地球の環境はほとんど知らない設定。その彼が地球人とはやや違った視点・感覚で重力や人の特徴を捉えている描写が興味深い。プロジェクトの遂行の中で次々に事故死する仲間達。残されたのはマキタと教授。そして・・・。ラストに向けてのスケールの広がりは見事。バビロニア・ウェーブの正体が明かされ、マキタはただ一人、重要な役割を果たすことになる・・・ところで物語は終わってしまう。ぜひ続きが読みたい終わり方だった。
バビロンの大富豪―「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか
バビロンの時代から伝わるお金持ちになるための不変の法則の物語。奴隷の身分だったものや才能のあるものがどうして貧しい暮らしを続けなければならないのか。彼らに「成功したい」という意思や、「才能」があったのならば、それはそのやり方を知らなかっただけである。
本書には何人もの大商人が登場しその秘訣を教えてくれる。収入の1/10を自分のために使うこと(買い物や支払いではなく自分のために貯めておく)、自尊心を持つこと、労働の喜びを知ること…、さまざまな鍵が道しるべになって人を富と成功に導く。
人生を運のせいにしてはいけない。幸運は努力の結果、与えられたチャンスを生かせた結果だ。
妖怪大戦争 [DVD]
宝暦年間の伊豆半島にバビロニアの古都より吸血鬼が来襲。その名はダイモン。土地の権力者の血を吸いまくりその死骸に憑依して当地の侵略を行う。
ダイモンは妖怪というよりモンスターという形容がピッタリ。これに対し日本の妖怪は河童をはじめ残念ながら小粒揃い。集団的自衛パワーで立ち向かう。