静寂の叫び〈下〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
緊張感たっぷりの本でした。やっと解決したとホッとした瞬間、大どんでん返しがあり、またぐぐっと緊張が高まり、最後まで緊張が抜けない本でした。 犯人のような人間が本当にいたら、とても悲しいと思った本でした。 本のタイトルも、読んでびっくり、なるほど、と感心してしまいました。
叫 プレミアム・エディション [DVD]
黒沢清監督初の本格ミステリとのうたい文句でしたが、ミステリータッチではあるものの、やっぱりホラームービーですね。海を埋め立て、繁栄という名の未来のために、あらゆる思いを切り捨ててきた人間が、過去から復讐される都市伝説風の怪談。
でも、これほどわかりやすい黒沢映画も珍しい。赤い服の女幽霊が何者なのかきっちりと教えてくれるのだから。赤い服の女幽霊は言ってみれば「葬られた歴史」の表象。我々が見捨て、いや、見捨てたことさえも忘れ去った「過去」の象徴こそが幽霊である。その土地に忘れられていた過去が突然立ち上がってきて、叫び声を上げ忘却者たちを襲う。
イエローがかった空、街中だというのに人の存在を感じさせない荒涼感、輪郭さえはっきりしない廃墟のビルといった映像。「回路」で見せたようなワンカットでの人間飛び降りのシーンや、ラスト前の伊原剛志が×××してしまうシーンなど、随所に黒沢監督らしさは出ています。
葉月里緒菜や小西真奈美の怖いけど綺麗な幽霊の造型はユニークだったし、前作「LOFT ロフト」よりも映画そのものは怖かった。けれど、動機不明瞭な展開も、少々意外な結末も、定番の幽霊ものの枠を超えておらず、「CURE キュア」や「回路」などの傑作を超えるには至っていないというのが結論かな。
ポケモンカードゲームDP 公式ビジュアルブック[秘境の叫び・怒りの神殿 編]
Lv.Xのカードが1枚オマケでつくので、それだけで買う価値はあります!
本はオールカラーで、タイプ別に表示されて大変見やすい構成です。
カードの説明に加え、ところどころでルールの解説もあります。
ポケモンカードゲームのルールはなかなか複雑なんで、ちょっとしたルール解説がためになりました。
湖の秘密・ひかる闇のカードを活かしたデッキ作りも載っていて、大変参考になります。
この本をしっかり読むと色々なデッキ構成のアイデアが浮かび、新たなカードが沢山欲しくなるのでご注意を・・・
U2 魂の叫び [Blu-ray]
今までこの盤はLD、LDの音質改善版、DVDと3種持っていますが、BluRayとなって画質が格段に上がっています。
モロクロパートでは、ざらつき感が改善されているし、カラーパートでは赤色が良く出ています。
この感動が得られて、この値段でしたら買いです。
U2を知らない方も是非体験して下さい。
RattleAndHumは他の映像物よりもストーリ性が有り映画のように楽しめます。
特に13曲目のBadから終わりまでは、U2の絶頂期の演奏が味わえます。
静寂の叫び〈上〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
1995年発表の本作品は、ベストセラーが続出の「リンカーン・ライムシリーズ」発表前の傑作として、評価されているようです。
アメリカ・カンザス州のハイウェィを走る、教員の運転するローラン・クレール聾学校のスクールバスは、教育実習生のメラニー・キャロルほか、生徒8名を乗せていたが、交通事故現場に出くわし、停車した。
それは、脱獄囚3人を乗せた車とカップルの乗った車の事故であり、脱獄囚3人はカップルを殺害したうえ、スクールバスを乗っ取ってしまう。
やがて、到着した食肉加工場跡に彼女達を人質に立て籠もった彼らに対し、FBI捜査官のアーサー・ポターは工場敷地内に止めたバンを司令室として、交渉を始めるが…。
本書は、人質解放交渉の舞台裏を描いた先駆的な作品だと思われますが、90年代後半から、交渉人の存在がクローズアップされ、立て籠もり事件を題材にした類似の物語やドキュメンタリーが作られたせいか、現在の自分にとっては、見たことのあるような「交渉シーン」となっていたのが、正直なところです。
しかし、本作品は次の点で、恒久的に独創性のある作品になっていると思いました。
一つ目は、メラニーを初めとした人質が「聾者」という設定になっていること。耳の聞こえない彼女たちの視点で、立て籠もり現場を描くことで独特の緊張感を保つことに成功しています。
二つ目は、現場を「食肉加工場跡」としたこと。かつて家畜達の終焉の場となったその場所は、いつ「死」が訪れるかもしれない人質達へ暗い影を落とす、象徴的な舞台装置となっています。
三つ目は、「どんでん返し」。人質解放へ向けた中途のサスペンスはもちろんのことですが、読者の予想を裏切る展開が待ち受けています。著者の作品を読むのは2冊目ですが、現代のミステリにおいても、意外な結末が重要だと著者は認識していると感じました。