世界名作劇場シリーズ メモリアルブック アメリカ&ワールド編
世界名作劇場に関する書籍はたくさんありますが、このシリーズはまさに真打といってもいいのではないでしょうか。
各名作シリーズの舞台となる年代、登場人物の相関図、設定資料集、当時のコラムや出来事、作者に関することまで1つのシリーズにこれほどページ数を裂いている本はないのではないでしょうか。
こちらはアメリカ&ワールド編で、ヨーロッパが舞台のヨーロッパ編は今冬発売予定だそうです。
世界名作劇場ファンはもちろん、世界名作劇場ファンではない人も手にとって価値ある本だと思います。
ANIMEX 1200シリーズ 89 母をたずねて三千里
しかし、星4つの理由は、「かあさんとの別れ」のBGMが、テレビと違うのです。あの別れのシーンは衝撃的で、あの音楽はいつまでも忘れません。しかし、収録されている曲は、クライマックスで、お母さんが病気で看病されている家に、向かう時のものなのです。メロディーは大変似ていますが。サントラのセレクトアルバムには、時々こういう事があります。一番聞きたいBGMが入ってない!とか。映画「ロッキー」のベストアルバムなどを買うとき、メインテーマは入ってるけど、その次に聞きたい、試合が終わったあとの音楽が入ってない!これって、担当者の好みで左右されてしまうのでしょうか。
でも、挿入歌は大変貴重なので、買って損はしません。アレンジャーに、旧銀河鉄道999の交響組曲を書いた青木望などが参加しています。作曲家坂田晃一は、NHKの大河ドラマや、朝のドラマ「おしん」(サンリオ製作のアニメ版も)の音楽も手がけています。しかし、一番曲数が多いのは三千里だった気がします。
世界名作劇場・完結版 母をたずねて三千里 [DVD]
原作は、デ・アミーチスの小説『クオレ』に出てくる学校での「毎月のお話」の一つ、ごく短い作中説話にすぎない。それを、よくここまでスケールの大きなアニメ作品に仕上げたものだと、改めて感嘆してしまう。
常にマルコの心の支えとなってくれる小猿のアメデオも、原作には登場しない。愉快なペッピーノ一座も(もちろんフィオリーナも)、彼らと向かうバイアブランカへの旅も、ペッピーノが駅でメレッリをぶん殴るエピソードも、当然原作には存在しない。そして私が最も好きな、インディオの少年パブロとの出会い、友情、別れ、汽車の窓からの一瞬の再会シーンも、すべて原作には出て来ないのだ。ケーナのメロディーを聴くと自然に涙があふれてくる、あの感動的な名シーン……。アニメ・オリジナルの部分にこそ、「母をたずねて三千里」の本質が描かれているのではないか。そう思わせる“心のふれあい”の数々。原作を超えたドラマ、本当に素晴らしかった。
ただ、その編集には、かなりの無理が感じられた(オープニングにある、ロバに乗って旅するシーンまでもが本編でカットされていたのは、ちょっと納得がいかない)。前後のつじつまを合わせるための新録のナレーションにも、やや違和感を覚えたし、“このシーンをもう少し観たいのに……”というところで場面が切り換わってしまうのが、非常に残念だった。
舞台も登場人物も次々に変わってゆく、長い長い旅の物語を、わずか90分にまとめること自体がまぁ至難の業なのだ。どうしても“あらすじを追う”程度で終わってしまうのは、しかたのないことだろう。これは「完結版」としてではなく、テレビシリーズ全52話への「入門版」と割り切って観たほうが良いかもしれない。
母をたずねて三千里(1) [DVD]
母をたずねて三千里って、子どものころ、再放送で、なんだか地味~なアニメだな、と思ったら次第に手に汗握る展開に
なって見てた…そんな記憶があります。
実際、DVDを全巻揃えてみてみると、なるほど、アルゼンチンにただ一人旅立つのは4巻のラストなのですね。
もしかしたらそこまでは少しだけ退屈かもしれません。でも、どんどんどんどん手に汗握る展開になっていきます。
これでもか、というほどお母さんに会えないマルコ、それでもめげずに、めげても色々な人に励まされながら、
旅を続けるマルコに本当に励まされてしまいます。毎回毎回オープニングの音楽を聴き、映像を見ただけでドキドキしてきて
しまいます。あの、オープニングに出てきた酒屋で励まされるマルコ、実際にあのシーンが出てきたときに泣かずには
いられませんでした。流行歌を使う現代アニメでは味わえないゾクゾク感ですよね。
マルコはすごい勇気です。でも、旅の中で出会う優しい人々の励ましに、もう熱い気持ちを抑えられなくなります。
話自体はとってもシリアスで、登場する舞台もアルゼンチンの寂れた町や乾燥したパンパばかりです。
でも、そんな展開に華を添えてくれるのが旅芸人のペッピーノ一座です。フィオリーナは垢抜けないやさしさがあります。
ペッピーのさんは本当に大好きになってしまいます。声優さんも、未来少年コナンのダイス役の方で、とっても
いい声をなさっていて盛り上がってきます。
何度も何度も繰り返し見るタイプの作品かどうかはわかりません。実際、私はカトリやラスカル、ルーシーなど、
他の名作劇場作品のほうが繰り返し何度も見ています。でも、一度目の感動、期待は裏切りませんよ。