ダース・ヴェイダーとルーク(4才)
この本に描かれているのは、ごくありふれた父と子の日常だ。
パパに構ってもらいたい一心で、質問攻めにしたり、わざと言うことを聞かなかったりと、まだまだ甘えたい盛りの少年。
そんな息子に振り回され、やや育児疲れ気味ながらも、周囲には親馬鹿ぶりを披露する子煩悩な父親。
銀河を巻き込む壮大な戦争とはかけ離れた、ささやかで幸せな世界。
それでも二人は、シスの暗黒卿と、ジェダイの勇者なのだ。
我々は、この父子を待ち受ける結末を知っている。
一緒に来いと誘う父親に、なんで?と少年は首を傾げる。
なんで一緒に行かなきゃいけないの。
なんでお父さんはジェダイなのにジェダイじゃないの。
なんでお父さんは、僕のお父さんなの。
そうする以外に道はないからだよ。
そうしなければ死んでいたからだよ。
手を離したら、生き残るのは、どちらかひとりだからね。
「パパ大好き」
最後のページ、幸せそうなふたりの姿にどうしても涙ぐんでしまう。
世界一有名な父子に、こんな可能性を与えてくれた作者に感謝したい。