流跡
長い散文詩が全編に渡っている。言葉そのものは、美しい。
では、ストーリーはどうなのだろう、時代背景が揺らぎ過ぎで
あり、描写不足で、小説としてストーリーが読めない。
次作の受賞作に期待を込めて星を2つ減らした。
早稲田文学増刊π(パイ)
単行本が出るまで安心出来ないので雑誌を購入。
異様な文体模写がずっと続くのかと思いきや……ギャ〜! 面白すぎる!
「君は本当の○○を知らない!」というキャッチフレーズはこの作品のためにある。
文豪のクローンが作品を書くことによって、未知のエネルギー「青脂」を生成させるのが前回のあらすじ。
冒頭は前回同様、中国語と造語が連発するサイバーパンク風味なんだけど、それからあれよあれよと予想外の展開。
延々と続く秘密基地、水上人文字、下水オペラ、巨根教団、並行世界……何を言っているのかわからないと思うけど、それだけで話が一つできるようなガジェットが次々と出てきては、すぐに舞台も物語も移ってしまう。この惜しげもない使い捨て感に意味があるように思えてならない。
特に水上人文字は最高!
とにかく、続きが楽しみ。
この2回目だけでもオススメ。