みうらじゅん対談集 正論。
BUBKAの連載の時には字が小さくてスルーしがちだったんですが、本になってみると読みやすいですね。「この人、こんな事言ってたんだ」とか。
今までのイメージを覆した発言も多いので、出てくるゲストに好きな人がいれば購入する事をお勧めします。
特に清水ミチコの「私はサブカルじゃない主張」がよかったです。
この本に出てくるような「サブカル」にカテゴライズされる人々って、考えている事が
「人にどう見られるかを気にしてばかりのいわゆるサブカル好き」と違って
ストレート(それが逆に天の邪鬼?)なんですよね。
リリーフランキーが「南の島にいればサブカルがいらない」と言ったり、
全体的に「サブカルもういいよ」発言が多く、
“サブカル界の巨匠・みうらじゅん”が心の葛藤を自ら見せつけているのかもしれないと思いました。
BUBKAの連載の時には登場しなかった久本雅美は某思想の影響か、
最近は「いい人」な部分ばかり強調されて、なんだかなーと思っていましたが、
改めて「芸人さん」だと感じさせてくれた対談だったのがよかったです。
新装版 ほぼ日の就職論「はたらきたい。」
面接のためのテクニックを網羅したハウツー本の、対極にある本です。
働くってどういうこと?
就職するってどういうこと?
そういう問題に、真正面から向き合って、これから働こうとする人へのヒントを差し出しています。
対談がどれもすばらしいのですが、圧巻は矢沢永吉との対談です。
まるでゴジラが火を吹くように、熱い言葉を吐き出しています。
もう、読んでいるだけで、どきどきわくわくしてきて、もしかしたらオレでも、今からでも、何者かになれるんじゃないか、って思ってしまいます。
人のエネルギーとはすごいものです。
お金や時間のない人は、この矢沢永吉の部分だけでも、立ち読みでもいいから、読んでみるといいです。
なお、ハウツー本ではありませんので、この本を読んだからといって、就職に有利になることはないと思います。
が、おじぎのしかたが悪いからといって落とす程度の会社なら、落としてくれてありがとう、と言ってもいいんじゃないか。
この本を読んでいると、そんな気持ちにもなります。
大学生必読の書。
放送禁止/柏木美里 [DVD]
好感の持てる勝負下着でAVよりドキドキさせてくれる。
が、ラブホ編でお腹一杯。
男優の姿が見えるのは導入部分だけでほとんど一人芝居。
一人芝居ゆえに生々しさがなく、例えVシネマレベルでも男女の演出が欲しかった。
シチュエーションと柏木美里のエロボディだけではね…。
そこまでのハードさは求め無いにしても「放送禁止」と言うからにはもっとギリギリの表現を求めずにはいられなかった。
もう一歩踏み込みが足りない。
マイ仏教 (新潮新書)
みうらじゅん自らが、
今までの著作をまとめた感のある新書。
集大成という程の力作じゃないですが。
見仏記とは違って、
仏像に関して視点を提供してくれる訳じゃありません。
新書の半分は、
なぜみうらが仏教、仏像に興味を抱き、
愛情をもって未だに追いかけているか、
自らのヒストリーを語っている。
自伝というか青春記。
読んだことのあるエピソードもありながら、
開放感いっぱい。
そして中盤以降、
生きる上で仏教を参考にすべしと、
みうらじゅんは言っています。
自分なくしの発想も今まで色んなところで書いていらっしゃるが、
本書はたっぷり語っている感あり。
何が正しいか、何が強いか、
世間で言われている生き方論がうさんくさく見えてしまう、
力強さに満ちた新書。
みうらファンにはお勧めです。