イムジン河
「イムジン河」が発禁になったのは、とても悲しいことでした。 でも、そのために生まれたのが「悲しくてやりきれない」です。 2ndシングルとして用意していたものが急に発禁になったため、ホテルに缶詰になった加藤和彦が「イムジン河」のテープを逆回ししながらそのイメージで作ったのが「悲しくてやりきれない」だそうです。 これも塞翁が馬なのでしょうか? その名曲2曲がカップリングされるなんて夢のようなディスクです。 これからも大切にしていきたいCDの一枚です。
ザ・フォーク・クルセダーズ 新結成記念 解散音楽會
まず収録曲名を見て驚いた。かつてのフォークルのLPに収録されていた「紀元弐千年」「グァンタナメラ」「コキリコの唄」「山羊さんゆうびん」「戦争は知らない」「花のかおりに」などに加え,「戦争と平和」に収録して欲しいと(私が勝手に)願っていたあの名曲「大統領殿」(かつて坂崎さんが最も衝撃を受けた曲)が加藤和彦のソロでよみがえる。また「戦争と平和」に収録されている「巌流島」「感謝」他,大物フォークゲストIが乱入する「ライカはローリングストーン」では,スタジオ録音版にない歌詞も加わり,「坂崎さんによる南こうせつの物まねバージョン」が聞け,きたやまおさむ氏は自分の勤務大学をそれとなく暴露,そしてなんといってもイムジン河が原曲及びハングルバージョン,そして新しい歌詞を加えてよみがえる。ああ,こんなすばらしいアルバムはない。そして買って後悔したことは1つ…「実際にコンサートに行きたかった」。
今語るあの時あの歌 きたやまおさむ―ザ・フォーク・クルセダーズから還暦まで (CDブックシリーズ)
「今語る」にだまされた、とは言いませんが、純然たるインタビュー本ではありません。そうかだから著者が「きたやまおさむ」ではなくて「前田祥丈」なんだ、と今頃気づきました。
きたやまおさむの語りに、かなり著者の解説というか説明が加えられています。別にそれが邪魔だとは思いませんが、やはり生の声を聞きたいと思います。
内容はかなり充実しています。きたやまおさむの虚と実というか、プレイング・マネージャーぶりを時系列を追って語られていますし、将来についてまで触れられているところが単なる回顧録に終わらせていないので良いと思います。
CDは、きたやまおさむについてはあってもなくても構わない、本当におまけという感じです。8曲収録されていますが、本書にコメントがある以外は特にこの8曲でなければならないという説明はありません。それでもどれもが代表作だと思いますし、「戦争を知らない子供たち」はジローズのバージョンではなく、万博の時のものだと思いますので、ある意味必聴ものかもしれません。