チャイコフスキー:1812年
このような題名付きの曲を振るとき、カラヤンはその真の力を発揮します。ロミオとジュリエットは何度か録音していますが、この1960年代のカラヤンとベルリン・フィルが勢いにのっていた頃のこの録音が最もドラマチックな演奏です。1812はフィルハ-モニア管弦楽団との録音以来ですが、今回は録音会場のベルリン・イエス・キリスト教会の天を突くような残響をふんだんに盛り込んだ劇的な演奏です。スラヴ行進曲、イタリア奇想曲はカラヤン唯一の録音ですが、前者はスラヴらしい憂いのある、後者はロシア人から見たイタリアの強烈なほどの華やかさがよくでている名演奏です。
ロミオとジュリエット [DVD]
当時(1968年)、「白い恋人たち」、「ロミオとジュリエット」の順番で2本が対になって上映された。「ロミオ*」は今までで一番若い15才のジュリエット登場で評判となり、一方「白い*」はフランシス・レイのメロディアスなBGMが評判となった。
「シェイクスピア」の作品であること以外、なんの予備知識も無く、「今までで一番若いジュリエット」を観に行ったことを覚えている。15歳といえば日本では中学3年生。彼女の「大人の演技」に目が釘付けになった。さらに、何処までも甘く切ないニーノ・ロータのテーマ曲に耳も釘付けになった。なぜかレナード・ホワイティングの印象が非常に薄かった。
しかし私の心の中には、今も15歳のオリビアと18歳のレナードが、熱い思い出となって存在し続けている。
2人とも、この作品出演後、人目を惹く作品には全く登場していない。2003年「マザー・テレサ」で50歳台のオリヴィア・ハッセーが話題となった。
戦国自衛隊1549 OPERATION ROMEO [DVD]
前作とダイレクトに比較はしてはいけないのだろう。
本作は本物の装備を使用した点で、前作とは大きく異なる。従って
リアルさはかなりのものである。
ストーリー的には、前作は隊員個人それぞれの生き方・死に方が
描かれていて、「昭和へ帰りたい」という想いが印象的であった。
本作はまた平成に戻ってこれる、つまり戻り方が
分かっていての話であったことから、意外性の面ではあまり
印象がない作風となっている。
また、ストーリーの展開では短時間に詰め込みすぎている
嫌いがあり、やや話が「ぶつ切り」のような気がした。
ロメオの心臓
ブランキー・ジェット・シティは、いわゆる(ネガティブな意味ではない)アウトローなRock Bandというイメージが定着しているが、風貌や過激なテイストとは裏腹に、その詞(詩)の世界には、『個の深い内面性』への洞察や社会・環境といったものへの探求の跡があり、これがレベルの高い音楽性へと作品を昇華させている。
特に『 パイナップルサンド 』『 君の手のひらに 』には顕著にそれが現れている。
そしてなんといっても『赤いタンバリン』という渾身の最高傑作がある。名作だ。
アルファ・ロメオ
アルファロメオの歴史を、美しい数々の写真入りで解説した本です。創設期から2004年のアルファGTまでのクルマを概説していて、写真とこなれた訳文により楽しく読むことができます。アルファロメオを語るのに欠かせないレーシングカーの記述ももちろんありますが、その内容の中心は市販車です。
この本に特徴的なのは、1900、ジュリエッタ、ジュリア、スパイダー、ベルトーネ・クーペ、モントリオール、アルファスッド、アルフェッタといった旧車について、詳細な解説の他に、親切な「バイヤーズ・ガイド」が付されていることです。例えばスパイダーであれば「特に後期型は、インナーフェンダー部分にあるフロントクロスメンバーのマウント周辺が錆びやすい。」といったもので、旧車をお探しの方にも役立つ内容が記されています。
この種の本には、解説が詳細過ぎたり厚くて重かったりで、読むのに苦労するような大作もままありますが、本作に限っては一般的な読者にも読みやすく、もちろんアルフィスタにも楽しめる、よくまとまった本だと思います。