おとといサッカーのチャンピオンズリーグ決勝で、一番のお気に入りのチェルシーが初優勝しましたが、それより正直震えました。

ホームレスに文字通り「落ちて行った」人たちが話す言葉が素晴らし過ぎたからかも知れません。幾つか紹介すると、「恩を売らない人に初めて合ったよ」とか「自分自身を磨いていけば、内側から輝くんだ」とか。英語で話す人は、Enjoy the game then you have to win.(心から楽しめば勝てるさ)などです。

しかし、罪を犯して刑務所に服役して出所した後でも、いつまでも罪悪感が無くならず苦しむ人や、子どもの頃からの経験で、いつでも怒りが爆発してしまう人にとっては、いえ、ここに集まる全ての選手にとって、人生で「楽しんだ」経験のない人たちだから、それはどれくらい大変か。

けれどなぜこんなにハートフルなんだろうと思う。自分たちを負かした相手のケニアチームをみんなで応援するアイルランドチーム。そんな光景を、プロフットボールのW杯で見ないでしょう。

音楽も素敵だけれど、そのアイルランドが負けられない戦いのバックに、あの有名なアイルランドのロックバンドの音楽が流れ出した時は、卑怯だぞぉ、と笑いながら涙腺が緩みかけました。

私はかつて南アフリカ・ケープタウンのテーブルマウンテンの麓に住みましたが、まさにそこで、マンデラ大統領が就任演説をしたあの建物の前で、サッカーコートが作られ開催されたこの大会は、世界一のエイズ患者のこの国の人にも、きっと僅かな希望の光を見せたに違いないと。その光を私も感じる映画でした。映画以上に大会そのものに、「ブラボー!」と言いたくなりました。