百日紅 (上) (ちくま文庫)
読んだあとの余韻がいつまでも残ります。
江戸時代の気分に浸れるのはもちろんですが、
読むほどに、北斎という人物の凄さが浮かびあがってきて、
「この人に会ってみたい」と思わせる。
娘のお栄が魅力的。余計なせりふがなくとも、絵の力だけで彼女の気持ちがわかる。
善次郎もいいですね。のんきそうな中に、なかなか世に出られないことに対する
あせりがあって(のちの英泉―確かにこの人の絵は感覚的には素晴らしいが、
造形的にバランス悪い)。
すばらしい作品です。繰り返し読んだあと、北斎の画集を手にとって絵を見ながら、
江戸の昔に思いをはせました。
江戸時代の気分に浸れるのはもちろんですが、
読むほどに、北斎という人物の凄さが浮かびあがってきて、
「この人に会ってみたい」と思わせる。
娘のお栄が魅力的。余計なせりふがなくとも、絵の力だけで彼女の気持ちがわかる。
善次郎もいいですね。のんきそうな中に、なかなか世に出られないことに対する
あせりがあって(のちの英泉―確かにこの人の絵は感覚的には素晴らしいが、
造形的にバランス悪い)。
すばらしい作品です。繰り返し読んだあと、北斎の画集を手にとって絵を見ながら、
江戸の昔に思いをはせました。
一日江戸人 (新潮文庫)
本書を読み終わると、少なくとも一週間は江戸気分がぬけない。
それほど内容が楽しく、挿絵も可愛らしくユーモアがあり、思わず
ふふっと笑ってしまう。特に時代劇が大好きな人にはたまらない本
でしょう。
個人的に気に入っているのは「江戸の色男」。
第一位は「火消しの頭」。火炎を背に活躍する男はなるほど勇ましい。
第二位は「力士」。気は優しくて力持ちがトレードマークだ。
第三位は「与力」。村上弘明扮する正義感に満ち溢れた江戸八丁堀
のダンナは確かに今の警察よりも頼りになりそうだ。
・・・などと考えながら、すらすらと読めてしまいます。
江戸時代の料理レシピも必見で、練り味噌でいただく「林巻大根」、
酒のおつまみ「うに豆」など、思わずお腹が鳴ってしまいます。
歴史が苦手という方でも、難なく江戸時代にタイムスリップできる
はずです。
それほど内容が楽しく、挿絵も可愛らしくユーモアがあり、思わず
ふふっと笑ってしまう。特に時代劇が大好きな人にはたまらない本
でしょう。
個人的に気に入っているのは「江戸の色男」。
第一位は「火消しの頭」。火炎を背に活躍する男はなるほど勇ましい。
第二位は「力士」。気は優しくて力持ちがトレードマークだ。
第三位は「与力」。村上弘明扮する正義感に満ち溢れた江戸八丁堀
のダンナは確かに今の警察よりも頼りになりそうだ。
・・・などと考えながら、すらすらと読めてしまいます。
江戸時代の料理レシピも必見で、練り味噌でいただく「林巻大根」、
酒のおつまみ「うに豆」など、思わずお腹が鳴ってしまいます。
歴史が苦手という方でも、難なく江戸時代にタイムスリップできる
はずです。
百物語 (新潮文庫)
昔、人は怪異とまともに向き合い、それによって謙虚な心を持つことを自然に身につけた。一つの必要悪であったわけだ。
江戸の風に吹かれている杉浦女史の99話は硬軟自在、怨みや可笑しみのごっちゃまぜである。でも一気に読み終えたあと、ちょっと心の懐が広くなっているような気がするのだ。
結局怪異とは、自分の醜さ、怖れ、苦悶、嫉妬などを鏡で見るようなものだ。そしてそれを見られることこそが人の人たる所以なのだ。
江戸の風に吹かれている杉浦女史の99話は硬軟自在、怨みや可笑しみのごっちゃまぜである。でも一気に読み終えたあと、ちょっと心の懐が広くなっているような気がするのだ。
結局怪異とは、自分の醜さ、怖れ、苦悶、嫉妬などを鏡で見るようなものだ。そしてそれを見られることこそが人の人たる所以なのだ。