ボストンを拠点に活動するバート・シーガーは日本国内に多くのファンを持つ輸入盤市場ではよく知られたピアニスト。
初リーダー作『Time To Burn』のリリースから四半世紀。ティム・ヘイガンズらと組んだ「バート・シーガー・
ジャズ・クインテット」クインテット3作から、80年代から90年代にかけてのトリオ作へとスイッチしていったシーガーはトリオ作品についてこう語っている。「より透明、率直で、リスナーが最後まで聴き続けられて、私がよりピアニストらしく演奏できるもの。ピアノから違うサウンドを引き出したいと思いました。安定していて私の美学を表現できるサウンドです」
現在トリオ作品に重点をおくシーガーの初めてとなる国内盤『OPEN BOOK』
トリオを組むのは、長年信頼をおいてきたドラムスの池長一美。池長は現在は日本に拠点をおくがバークリー音大卒業後、米国にとどまって教育と演奏活動を続けてきた実力者。また、ベースのホルヘ・ローダーは
ペルーのリマ出身。現在はアヴィシャイ・コーエン(b)トリオで注目されたシャイ・マエストロ(p)とトリオを組み
ニューヨークを拠点に活動。
シーガーのオリジナル6曲と、スタンダード3曲で構成。ピアノの対位法的な動きがジョン・ルイスとMJQを想起させる「バックス・
ランチ」、肩の力を抜いた3人の対話が心地よい「バニー・デューン」、曲名が示唆する情景をイメージさせる「スノー・スプライト」、美旋律とハーモニーにビル・エヴァンスとの関係が浮かび上がる「オープン・ブック」、メランコリックなムードがやがて熱気を帯び、ローダーと池長も見せ場を作る「ザ・ラフト」、池長が遊び心を発揮した「エヴリシング・アイ・ラヴ」、香り高い逸品「アイ・ラヴス・ユー・ポーギー」「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」など。
「皆さんがこの音楽を楽しみ、いろいろな意味をこのアルバムから見つけてくださればと願っています。すべてのリスナーの方、新しいファンの方、そして古くからの僕のファンの方に。ありがとうございます」バート・シーガー (ライナー・ノーツより)
『OPEN BOOK』
ジャケットに使われた銀色のインクのシンプルな遊びで問いかけてくる傑作。
2011年ボストンWGBHスタジオ録音。
Open Book
2012 Cloud
Bert Seager - Piano | Jorge Roeder - Bass | Kazumi Ikenaga - Drums
"I've been watching Bert Seager for a quarter of a century, since his recording debut in the 1980's. "Open Book" is Bert's first release on a Japanese record label, and the fruit of a long collaboration with the drummer Kazumi Ikenaga. This album is the the definitive edition of Bert Seager." Hiroki Sugita, jazz journalist, contributing writer to Jazz Japan.
" I hope you will enjoy this music and find many reasons to come back to it" Bert Seager