公開当時はそれ程話題に上る映画では無く劇場もごく限られていました。金沢の港町にある小さな中華料理店

“小上海飯店”を舞台に藤竜也さん演じる店主とそこの常連さん、中谷美紀さん演じるデパートの営業員が

心通わす物語で最初、出店要請で通ってたが頑なに断られ次第にその味に魅せられ、店主の身体の不調を期に

弟子入りし、次第にそこの中華料理を会得ていく過程での色々な出来事を温かくも厳しく見つめる店主と厳しい

修業を通して成長していく一児の母でもある女性の生きざまが見事、描かれています。それにしても藤竜也さん

のシブい演技は何時観ても感動です。流石、役者、本当の料理人の様に包丁さばき、中華鍋の鍋振りは見事です。　

中谷美紀さんも細い腕でかなり練習したようで見事、それらしく鍋振り、包丁さばきなど調理している様が写し

だされていました。もちろん中谷美紀さんの凛とした美しさにも定評があるので健気に修業する中にもその他

の場面でもちょっと控えめな女性だがその中にも芯の強さを持つ女性として観る者を虜にするでしょう。

映画の中で出てくる主役の料理達、毎回、品を変えての“山定食”“海定食”の美味しそうな事、画面から湯気が立つ

その間から美味しそうな香りが漂ってきそうでそれを食す中谷美紀さんの美味しそうな表情からも思わずヨダレが

出てきてしまいそうです。(笑い）

中盤に登場する店主の故郷　紹興酒で有名な　中国の紹興の情景も心震わす何か懐かしさがあります。

後半の宴会での料理を作る中谷美紀さんの演技は重要なシ−ンですがワンカット、ワンカット丁寧に撮られていました。

最後に藤竜也さんと中谷美紀さんが共同で作る“トマトと卵の炒め”は卵の中で踊るトマト、黄色と赤色の見事な色合い

やさしいほんのりとした味付けが手に取るように解りそれを食べた客達の表情からもこの映画のクライマックスに

ふさわしい“しあわせのかおり”を感じられます。引き立つ八千草薫さんの存在感も光っていました。流石、大女優は何歳

になっても威光を放っています。それを支える平泉成さん、田中圭さん、甲本雅裕さん他のキャスティングも見事です。

エンドロ−ルで流れるJUJUの♪空♪もこの映画にふさわしい良い曲です。

いわゆる、女優さんの余技と思うなかれ。
坂本龍一さんがここまで力を入れてトータルプロデュースした女性ボーカルはいないのではないか?
とにかく坂本龍一さんをはじめとする作家さん達の半端無い音作りと詞の世界には圧倒されます。
そのバックアップに劣らない中谷美紀さんの声のクオリティにも涙腺をくすぐられます。
ヒップホップ、テクノ、ジャズ…色んな要素が組み込まれた一枚。
中谷美紀さんが好きな人、坂本龍一さんの音が好きな人は、必聴だと思います。

榛名

ananでの連載をまとめたものだということですが、連載時に中谷さんが撮られた写真が載っていなかったのがちょっと残念でした。写真は一枚もありません。

純粋に、文章の部分のみを加筆訂正してまとめたもののようです。

しかし、ファンにとっては、

ミステリアスな中谷さんの日常が垣間見える、お買い得な本であることは確かでしょう。

タイトル通り、癒される小品。定期的に、聞き返したくなるマスターピース。
ダウナーとアッパー（躁と鬱？）を繰り返して到達する身体と精神の世界。（M-8 corpo e alma）
そこは祭りの只中。
一番好きなのは、M-1　いばらの冠。　多幸感と喪失感の絶妙なる融合。

ページ数が余りないのと、ピンボケっぽい写真が多かったのが残念です。

19歳とは思えないくらい艶っぽいものも載ってて、中谷美紀が好き

な人にはうれしいと思います。