玉工乙女
中国物が不得手で時代小説として成り立っているのかはわからないが、抒情的な世界にうっとりとしながら、爽やかな二人の少女の日常に起こる事件を微笑ましく見守るような物語。
印鑑に彫刻を施す職人芸に少女たちが惹かれていくのも新鮮だった。
ラスト数十ページまでそのような世界を見せてもらっていたのに、突然物語が読者を置いて「めでたしめでたし」へ走っていってしまったかのような終わり方がもったいなかった。
そのような終わり方をして振り返ってみると、一つ一つのエピソードはとてもいいのに、それらがつながることなく、近くて遠いところを漂って、無理やり掃除機に吸いこまれたようで非常に残念だった。
まったく本編には関係ないが、蓮が重要なテーマになっているのに表紙に描かれているのは椿のような花。ただ美しいだけの世界に拍子抜けさせられたような読後感。
次回作に期待したい。
印鑑に彫刻を施す職人芸に少女たちが惹かれていくのも新鮮だった。
ラスト数十ページまでそのような世界を見せてもらっていたのに、突然物語が読者を置いて「めでたしめでたし」へ走っていってしまったかのような終わり方がもったいなかった。
そのような終わり方をして振り返ってみると、一つ一つのエピソードはとてもいいのに、それらがつながることなく、近くて遠いところを漂って、無理やり掃除機に吸いこまれたようで非常に残念だった。
まったく本編には関係ないが、蓮が重要なテーマになっているのに表紙に描かれているのは椿のような花。ただ美しいだけの世界に拍子抜けさせられたような読後感。
次回作に期待したい。
エレガンスの条件 (ブルームブックス)
実用的なことより内面に関することがほとんどで、「エレガンス=素敵、かっこいい」というコンセプトでそれぞれの方が書かれている気がします。職業もばらばらなのでへぇ~と思うようなエピソードがあったり、何人かが同じテーマについて意見を述べるという構成が面白かったです。中村江里子さんも著者のなかにあったので、外国に住んだ日本人に多い外国賛美、日本卑下かな…と思っていたのですが、そればっかりでもなかったので素直に読めたような気がします。ただこの手のマナー本を好んで読まれる方には、「そんなの当たり前。」と思われる内容もあるかもしれませんので、どちらかと言うと若めの方が社会での心構えとしてや、これから自分を持った素敵な女性になるために読む方がよいのではないかと思います。マダム的なエレガンスを求めている方には向かないと思います。