翼長40メートルの巨体は、敵機から見れば格好の獲物に過ぎない九七式
飛行艇。筆者はこの大艇を自分の分身の
ように愛し、手足のように駆使して、危険な輸送業務を遂行してゆきます。
取り残された基地要員を救出するために、敵の基地と目と鼻の先にある島への夜間飛行。
国内上空さえ危険になった敗戦の年の六月になっても、本土からシンガポール、スラバヤまで飛行。
当然敵機と遭遇しますし、絶体絶命の窮地に飛び込んで行くわけですが、そこをどう脱出するのか、手に汗握る
描写の連続です。
著者は単に飛行機の操縦術に長けているだけではなく、得られる情報を最大限に利用し、飛行する空域の地理や
時々の気象状況をよく把握して、それを生かして生き延びる方策を必死に探ります。その姿に心うたれます。
さらには七十キロ爆弾を携行して、敵
潜水艦を発見、人の手で爆弾投下して撃沈。
( 著者が乗る九七式大艇は輸送機型で、爆撃装置はありません。)
20ミリ機銃を積んでいる時に敵戦闘機を発見して銃撃、撃墜。
戦闘機や偵察機がバタバタ落とされる危険な空域で、信じられない戦果をあげています。
それでも戦友を次々に失う筆者の心は晴れることなく、憎しみもないのに殺し合わなければならないつらさが
つのっていきます。
この本の表紙カバーには、火を噴きながら落ちて行く九七大艇の写真が使われています。
多くの搭乗員の運命に思いを馳せながら読んで頂きたい一冊です。
3歳になる息子が「
紅の豚」に釘付けな為、グッズを幾つか購入しました。
中でもこのハンドタオルは最高です!縫製、生地の
吸水性、手触り、しなやかさ、どれをとっても、タオルには大変うるさい私が、太鼓判を捺してお勧めします。もちろん
飛行艇の色どり&デザインも素敵です。
特殊な艦艇が好きなので購入しました。
キットの出来には満足しております。
又、二式
飛行艇・九七式
飛行艇が入っているのがうれしいです。
只、特殊な迷彩が施されている艦艇だけに、そこの指示がもう少し丁寧に入っていると、もっと良かったと思います。
大戦時の日本の
飛行艇といえば、世界に冠たる性能を誇った97式大艇、2式大艇くらいしか
明確な資料本が無いのが現状ですが、この本は世界の
飛行艇の興亡や97式大艇以前の日本
飛行艇の開発史も多くの事が述べられています。この点については大いに評価すべきです。
残念な点として、著者のかなり偏った視点で書かれています。日本の
飛行艇の技術を過大に
賞賛している反面、外国の
飛行艇を見下し、こきおろし、憶測なども交えて書いています。
日本の
飛行艇は性能は大変優秀ですが、公正な視点で見ると、性能がはるかに劣る諸外国の
飛行艇に運用実績、活躍ともに負けています。
この点については読んでいて負け惜しみではないかと感じる程です。