「らぶチュ」に掲載されていた作品を集めた短編集「体感あらかると」です。
振られた日に会った自称迷子の美女とのお話「それだけの話。」
いろんな事から逃げ続ける女友達を捕まえたお話「にげみち。」
受かった彼女と落ちた彼のお話「積年。」
見て見ぬふりの先輩としつこい年下幼なじみのお話「幸福の行方。」
笑えないオチが笑える、再会した委員長のお話「キオク。」
夢のような過去で会った彼女のそっくりさんのお話「願い儚し。思いはかなし。」
以上が男女ものの恋愛短編になります。
そしてこの後に収録されている連作が一押しの百合作品「やくそく。」と「やくそくの日。」になります。
物語としてはそれほど珍しくない、家庭教師に来た地味なお姉さんとそれを好きになってしまった早熟女子中生のお話で、「やくそく。」は5年後に偶然再会し過去に交わした約束を果たしてもらおうとする久美ちゃんと、ほだされていく素子先生のお話。「やくそくの日。」はそれからさらに1ヶ月後。気持ちの通じ合う二人の様子を描いています。
ちびおかっぱ微乳眼鏡と萌えロリ記号満載だけど、ちゃんと大人の意志で彼女を好きだと言えます。ただし
新撰組血風録(時期から推定)は特別なのよ、許してね。な素子先生。
男ともいろいろしたけど心は結局先生一筋。どこまでも貪欲に恋する乙女の久美ちゃん。
二人ともに実に魅力的に描かれているんですが、隠し漫画で素子先生も言っている通りかわいさでは久美ちゃんに軍配が上がります。自分の言動に自己嫌悪して反省してなお貫き通すレアなヤンデレさん具合とか反則の域と言えるでしょう。(笑)
「にげみち。」が百合から男に転ぶ話だったり、「やくそく。」でも久美ちゃんが男経験済みだったりと百合絶対主義や百合原理主義の方にはお薦めできる本ではないのですが、男女含め色々な形の恋愛を許容できる上で百合物も好きという方には是非読んでいただきたい1冊です。
このシリーズは基本的に恋姫シリーズが好きな人向けです。 内容は簡潔に説明すると性別が入れ替わった(一部除く)
三国志キャラとキャッキャウフフする 18禁ゲームのアンソロジー&4コマです。今回は獣ミミがサブ
タイトルで、全部の作品に獣ミミがついています。しかし一部の作品は男の主人公にただ被せただけというのがあり、サブ
タイトルの縛りの意味に疑問があります。しかし内容は他社からもかなり恋姫シリーズのアンソロジーが出ているにもかかわらず、ネタ被りもあまりなく作品の内容は合格点です。ちなみに余談ですがこの本を出版しているアース・スターコミックスは声優+漫画といういままでにあまりなかったジャンルを展開しています。このコミックにも、声優さんが考えたネタ+有名作家とかあれば面白いのではと思います。関係者がこれを見て一考してくれれば、と妄想しながらレビューを終わります。