土木を中心に首都高で活用されている最先端の技術を、豊富な図解を交え解説している。技術だけでなく、首都高のルートや特長あるジャンクション、トンネルについても車線一本一本書き込まれた図入りで詳しく紹介していて、ジャンクション好きの気がある私は食い入るように目で追ってしまった。
東京は用地確保が難しい。また、高低差も複雑で地下の埋設物も多い。首都高のような大規模土木構造物を都心に作るのは、条件が非常に制約される。そのため、様々な技術が導入された。都心の中を縫うように走るために用いられている技術の多さ、限られた土地をフルに使い倒すさまに驚く。車線一本一本書かれた図を見ていると、一つの土地を最大限活用するための首都高設計者たちの情熱をも読み取れる。首都高ファンには有名な美女木、大橋、箱崎、浜崎橋……いずれも図解されている。特にすごいのが2本の本線とそのジャンクション、3つのランプ、バスターミナル、パーキングエリア、ロータリー、駐車場が一つの土地に畳み込まれた箱崎だ。p136、137の図を眺めていると余りの複雑さに目が回ってしまう。
ほかにもさいたまスーパー
アリーナの下をくぐるさいたま新都心線、中野坂上駅のエスカレーターの2メートル脇をすり抜けている山手トンネル、
横浜駅地下街が支える金港ジャンクション、5段重ねの道路になっている美女木などの複雑な構造が解説されている。トンネル掘削や換気口、高架橋の橋脚、舗装技術を読んでも、都心で首都インフラ、住民に影響を与えず工事、供用をするために、いかにアイデアが注ぎ込まれているかがわかる。
「図解」と題するだけあって、解説図、写真が各ページにあってうれしい。ブルーバックスだが、専門用語はなく、土木技術の専門用語をむしろ普通の言葉で解説するという感じでわかりやすい。理系対象の本ではなく、非理系の方がむしろ楽しめるのではないかとも思う。とにかくドボッカーや道路好きにはたまらない。
法定速度遵守のつもりですが、高速道路はついつい速度が出てしまいます。そんな時にこの商品を導入すると、「この先スピードに注意して下さい」と優しく注意してくれます。なかなか良いですよ~。