ヘンリー・フォンダが死んだとき、テレビの各映画番組は追悼プログラムを組みました。 僕の記憶が正しければ、 「水曜ロードショー」の水野晴郎さんは「十二人の怒れる男」 「金曜ロードショー」の高島忠夫さんは「黄昏」 そして「日曜洋画劇場」の淀川長治さんが紹介したのが、この作品でした。ほかの2氏が担当した作品も素晴らしいですが(月曜ロードショーの荻昌弘さんはどうしたか覚えていません)、やっぱりこの素晴らしいコメディをOAしたのは、淀川さんのセンスのたまものだと思います(彼に放映する作品を選ぶ権利はなかったのかもしれませんが、あえてそういうことにしておきます)。 極上の娯楽作品です。特に話法のテンポのよさは、今の映画は見習って欲しい。あれだけの人間ドラマを描きつつ、ちゃんと122分。しかも、これは「コメディ」なのです。それなのに、現在の表面だけは深刻ぶっている作品よりも、よほど深く心に突き刺さります。現在なら、深刻な「社会派ドラマ」になって、時間も2時間30分ぐらいの「超大作」になってしまうかも。 なんて真面目に書きすぎました。本当にジャック・レモンの演技は笑い転げること必定です。笑って、ハラハラして、また笑って、さいごはほろりとさせる。何度も書きますが、娯楽映画の王道です。今は「お笑い」ブームだそうで、僕もテレビを見て爆笑していますが、たまにはこういう「古典」を見て、そのレベルの高さに驚くのもいい体験ですよ。 正直に書きますが、やはりDVDは高いですから、どうしても買って下さいとは書けない作品でもあります。いい意味で「普通の映画」なのですから。でも、レンタルビデオ店にはなかなか置いてありません(東京はあるかな?)。ですので、普通の人は買って見て、保存したいと思うほどでもなければ、中古店に持っていってください。少なくとも差額分は満足できるはずです。
私は真剣にいいと思います。 よくDVD誌ではコメディみたいな書き方をされていますが、 この作品の神髄はそんなものではないと思います。 ラストはショック受けてしまいました。 今観たら涙出ますね。
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