まず見ての通り装丁画が変わりました。
また、文字が大きくなり、読みやすくなりました。
さらにオリジナルと読み比べても特にズレを感じない程度ですが、改
稿しています。
著者のあとがきも新しいものです。
巻末に鮎川哲也の解説はそのまま残し、新たに戸川安宣(元東京創
元社の総帥らしい)のマニアックな解説が追加されています。
「新装改訂版」を出すことそれ自体がそうなのですが、このようなマ
ニアックなボリュームアップを遂げると、もはや「十角館」も”古典”
の雰囲気がプンプンで、それがかえって未読の新しい読者たちを遠ざ
ける原因にならなくもないんじゃないかと思ったり、思わなかったり。
ともあれこれで価格は110円アップです。オリジナルを既読の人の中
でも綾辻の熱烈ファンやミステリマニアなら買いかも知れません。
ただ僕がこの改訂版で一番素晴らしいと思ったのは、物語の真相とな
る衝撃の一行がちょうどページを捲った瞬間に目に飛び込んでくるよ
う編纂されている点です。それだけでも
講談社はいい仕事をしたなぁ
と思いました。
ということで、作品自体の出来はもちろん保証されていますし、すべ
ての人におすすめの★五つです。
明るい曲や、希望を見出すような歌に疲れてきたため興味をもったアルバムですが、期待通りぴったりでした。
ヘビメタやハードロックなどの激しさは決してないけれど、静かな曲、コミカルな曲と一緒に流れる歌のお姉さんのような(当たらずしも遠からずですが)
優しげな声は、安らぎや希望を歌っているわけではなく、むしろ底冷えするような静かな狂気を歌っていてそのギャップがまた不気味でいいです。
最初の「王国」は狂おしい執着と、それに付随する愛を歌っているのかと思えばそれは偽りだったり、「落ちてきた少年」は楽しげな曲だと思って聴いていると、深読みして見方を変えれば狂気的な妄想の産物だったり。
と、派手な演出とグロテスクな画面で圧倒する
ハリウッドのホラー映画より、シンプルな演出と不気味な雰囲気でひたひた押し寄せる恐怖の、和製ホラー映画のような作品です。他にもCoccoが好きな人は一度聞いてみてはいかがでしょう?
ただ歌詞カードの文字が手書きで、しかも文字が小さく読みにくかったため星4つとします。