1981年にフォーク・デュオ・グループ「雅夢」(がむ)として「愛はかげろう」でデビュー。1985年に雅夢を解散した後、ソロ・アーティストとして活動を続けてきた三浦和人(三浦雄也)の、これが初めてのベスト盤。今ではCDの入手がかなり困難となっているアルバム「アビチュード」や「7年目のアンコール」の楽曲も多数収録。「マイナー・コードの三浦」と自称するだけに、彼の作る曲たちの叙情性は随一。その世界をじっくりと堪能できる。時々現れるポップな曲を嫌う向きもあるが、そこは彼のチャレンジ精神を称えつつ、新たな飛躍を期待したい。雅夢時代の曲(
ポプコン・マイ・リコメンド/雅夢)と聞き比べるのも良し。
三浦和人、パンタ、早川義夫、五つの赤い風船のライブ映像を収めた作品である。
私の目当ては、ずばり早川義夫である。曲は「サルビアの花」「からっぽの世界」「父さんへの手紙」「あの娘が好きだから」「いつか」の5曲だが、早川義夫の世界を十分堪能できる。
歌、ピアノ(手が震えている!)、
バイオリンかな?のシンプルな構成だが、早川の歌は、会場の空気を一変させる。すごいエネルギーだ。
「伝えたいことと、伝えたい人がいれば、才能がなくても、歌は生まれると、僕は、今でも、思っている」とは、早川の言葉だが、このライブを観るとこの言葉が実感できると思う。
一押しは、諫山実生が(ワルツなのに)スウィングしている「月のワルツ」。それにぴったりなのが、いしづかあつこの描く、『不思議の国の
アリス』を思わせる、美しくも妖しいアニメ。歴代「みんなのうた」中の傑作といっていい。また、「悠久の杜」を歌うKOKIAの‘強い’声が素晴しい。聞かせる。ラスト近くのピチカート・ファイヴ「メッセージ・ソング」は、初め彼らが演ずるにしては凡庸な歌と即断してしまったが、改めてアニメとともに聞き直すと、私の好きな野宮真貴のポップな声が、しみじみとして、少し重い内容の歌詞を、カラっと軽快に歌い上げているのが素敵だった。私自身が身につまされ、グッときた(T_T。経験のある方がご覧になれば同感して戴けると思う。大貫妙子のものは、「ピーター・ラビットはぁ〜」って歌うの好きだったのだが、「メトロポリタン
美術館」が入っているのでよしとしよう。ただ、「金のまきば」よくわからん歌だった。