今あるコンクリートの
大阪城が、徳川期の石垣に
豊臣秀吉の天守を模して建てられているところに、「大坂城」に対する日本人の意識が集約されている気がします。秀吉の大坂城は、十メートルにも及ばんとする盛り土の下。完全に消されてしまったのです。本書は、当時の大坂城をイラストにより再現しようとした意欲的な試みです。イラストのいいところは、全体像をわかりやく見せられる点にあると思います。当時の
大阪のお城と城下町が生き生きと描かれています。このシリーズ(「日本人はどのように建造物をつくってきたか」)は、江戸の町、
京都千二百年、
奈良の大仏、平城京、法隆寺、
桂離宮、巨大古墳とありますが、どれもおすすめの良書です。
大阪の都市部に限らず、中部地方の山岳地帯(日本の屋根)も細かく再現されています。日本山岳シーナリーの様です(本製品には山名標は付属していませんが)。いったいどこまでのエリアが再現されているのかチェックはしていませんが、山岳部の再現に限ってはだいぶ広いようです。