1曲目の「under"Mebius"」は、今回のニューキャラソンの中では最も印象的な歌だと思います。
「雪、無音、窓辺にて。」のような長門さんの台詞はありませんが、「存在 過去 現地時差 修正 不可 再始動可」といった謎めいた歌詞と、茅原実里さん独特の澄んだ歌声が相まって、何となく長門さんらしい神秘性を醸し出しています。
あるいは好みが分かれるかもしれませんが、少なくとも長門ファン・みのりんファンにとっては、新たな「神曲」と言っていいでしょう。ただし、音の高低差がかなり激しいので、カラオケで歌うのはちょっと難しいかも。
2曲目の「通過地点のMUSICA」は、歌い出しの部分が何となくperfumeを連想させるようなところはありますが、1曲目よりは歌いやすいです。こちらも歌詞は神秘的で意味はよく解らないけど、今時の歌としてはまだ常識的な部類に属するかと思います。こちらも外れではないので、ハルヒファンなら買って損はないでしょう。
余談ですが、同じイラストレーター(西屋太志さん)が描いているにもかかわらず、ほぼ同時期に発売されたDVD第2巻(エン
ドレスエイト1・2)のカバーに描かれている長門さんの顔はえらく不気味で、一方ピースサインをしているこっちの長門さんはすごく可愛いです。この差は一体どこから来るのでしょう・・・?
クールビューティ(笑)・長門有希のキャラクターソング集。『雪、無音、窓辺にて。』『SELECT?』『ハレ晴レユカイ(有希ソロヴァージョン)』の3
タイトルとそれぞれのoff vocalヴァージョンが収録されています。
有希のキャラクターは「無口」「無表情」「無感情」「冷静沈着にしてノーリアクションされど動けば電光石火」といった言葉で表されると思いますが、こういった特徴を一体どうやって歌にして表現するのか?非常に興味津々でした。
一聴後の最初の感想は実際のところ「?」でした。『SELECT?』の方はスロー
バラード系の静かな曲で、「まぁこんな感じになるだろうな」という予想範囲内の楽曲でしたが、『雪、無音、窓辺にて。』はポップではないものの非常にアップテンポな楽曲で、歌っているのは確かに有希だと伝わってくるものの(これが伝わると言うのは茅原実里嬢の表現力が極めて優れている事の証ですね)、有希のキャラクターとはかなりのギャップがあるように感じられてしまいました。
但し、歌詞カードをしっかり見ながら『雪、無音、窓辺にて。』を再度聴いてみると「あぁなるほど」と納得。ネタバレ要素も含んでいますので詳細には書きませんが、原作文庫本『涼宮ハルヒの消失』を一読してみれば、歌詞に込められた想いが鮮明に伝わってくると思います。
また有希にはちょっと不似合いに思える曲調も、有希のSOS団団員としての存在意義を踏まえて聴いてみると、曲の持つ緊張感や少しの切なさが彼女によくマッチしているように感じられてきます。意表は突かれましたが、聴けば聴くほど味が出てくるようなキャラソンですね。
『ハレ晴レユカイ』は有希ヴァージョンと言うより茅原実里ヴァージョンと言う印象が強いですね。さすがに有希のイメージからは少し外れていますが、「ひょっとしたらこんな有希もありかな」と想像したりすると、結構楽しめると思いますよ。