さすが拓郎!観ていると(聴いていると)だんだん拓郎ワールドに引き込まれてしまいます。前回のビッグバンドも良かったですが、今回の武部鳥山コンビのアレンジも、ある曲はイントロから懐かしく、又ある曲は唄うまで判らないイントロになっているなど多彩です。また、鳥山、渡辺さんのツインリードも聞き応えがあります。ライブも見てきましたが、ほぼ全曲網羅されています。
力作だと思います。
2003年の癌からの復帰以後、中野サンプラザでのアクシデント、つま恋の大成功、そして2度にわたるツアーの中止と全国ツアー撤退、エイベックスへの移籍と、吉田拓郎本人にとってもファンにとってもまさに波瀾の道のりでした。
この7年間の経緯を拓郎本人へのインタビューや貴重な証言でトレースしてある一冊です。
著者は、さまざまな吉田拓郎の言葉、言動、エピソード、
スタッフ関係者の証言を実に丁寧に拾い上げ、誰も知らなかった吉田拓郎の姿を浮き彫りにしています。
特に体調の不良と闘いながら薄氷を踏むように続けられたツアーの様子などは胸が締め付けられるようです。
このような波瀾の中であっても、というより、そういう状況だからこそより一層に、「吉田拓郎」という人間の深さと素晴らしさを再認識させてくれる気がします。
ファンとしてもいろいろな考え立場があるでしょうが、吉田拓郎と共にまさに「終わりなき旅」を行く自分の姿を、それぞれがそれぞれなりに見つけ出せるようなファン必携の一冊ではないかと思います。
ライブ73の曲は、今聞いても充分楽しめます。特に、マーク2・73は胸をときめかします。制服は、昔若かった頃を思い出します。初めて、人前でギターを弾き、ハーモニカをぶら下げて歌を唄ったのがこの曲です。あの時の感激は忘れていません。75年のつま恋で盛り上がったおじさん達には是非コレクションしたい1枚です。