テレビというメディアが、八尋のような邪悪な怪物を作り出し育ててしまった。彼はメディアを利用し、自分自身をカリスマ的存在にしてしまう。彼を敬い慕う若者たち。それは一種の洗脳のようで、読み手をぞっとさせる。テレビが映し出すのはあくまでも表面的なものだ。内部にどんなものを抱えていようとも決してさらすことは出来ない。視聴者はある一面だけを見て、それがすべてと思い込んでしまう。悪意があれば、テレビを通して視聴者をだますことさえ出来る。架空の話だと思いながらも、読んでいて恐怖を感じる。こういうことが現実に起こりうる可能性があると、心のどこかで思っているからに違いない。メディアの持つ危険性を見事に描ききった作品だと思う。
悪意を持った人間でも外面すらよくしていればまるで教祖のように祭り上げてもらえるという メディアを皮肉ったような内容は素晴らしいのだが、終盤の展開はいまいち メディアクルーが彼に手も足も出せず、そのうえ流れで事件が解決してしまうというのはさすがにないだろうといいたい 何の為に破線のマリスのキャラを引っ張ってきたのか ある程度は楽しめるが、傑作とはいえない程度の作品
妻夫木くんから悪っぽさ、闇、かげ、冷血さ、狂気などが感じられませんでした。実際は極悪なのに全然そう見えない。もちろん「ふだんはそう見えない」のが狙いなのはわかりますが、悪っぽさや闇や冷血さを垣間見させてくれないと。役所さんは良かったです。他の役者さんたちも。 妻夫木くんの悪役目当てで見た私には期待外れでした。
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