5番は、その番号が示す「運命」のモチーフを用いた45分に及ぶ大作。プログレッシブロックの乗りの1,4楽章、時々挟まれる静かな部分が相変わらず美しい。奇怪なスケルツオの2楽章(でもショスタコヴィッチの暗さはない)。中間部に宮崎駿のアニメのメルヘン音楽のような部分が挟まる3楽章。全体に冗長と感じさせないのはさすがである。
アトムハーツクラブは、ビートルズ発生の地、さすがイギリスのオーケストラ乗りがよい。最終楽章の
鉄腕アトムの旋律の引用には笑ってしまった。鳥たちの祝典への前奏曲(とでも訳すのか)は10分に及ぶ華麗な名品、ぜひいろいろなところでやってほしい、と思う。
カナダ(バンクーバー)に旅行した際、この本を探しましたが
皆無でした。アマゾンさんに頼んで正解でした、迅速に、多分
廉価で手に入れられたと思います。
本当に頼んでよかったです。
他のレビューワーの方が言っていらっしゃるように、世にあるサクスフォーン協奏曲の最高傑作だと思う。筆者は幸運なことにこの初演(だと思う)を聴くことができた。死に直面した作者の妹の病室の中で書かれたという2楽章が胸を打つが、正に
火の鳥が飛翔するような両端楽章もすばらしい。
3番の交響曲は畢竟の大作、
ベートーベンの英雄が頭に過ぎったのか、長さもそれに匹敵する。協奏曲が
ジャズをクラッシックでやっているとしたら、これはプログレッシブロックをクラッシックのイディオムでやっていると言うところか。1楽章で激しい動きが落ち着いたところ、静かに叙情的に歌われるところ、緩やかな楽章の清らかな美しさ、正にロックののりとも言うべき最終楽章、聴き応えのたっぷりある傑作である。
シャンドスから出ている吉松隆のシリーズはどれもすばらしいが、肝心のイギリスのグラモフォン誌などは冷ややかな扱いであった。大衆迎合的でセンチメンタルとか言う評もあった。自国の作曲家については
ハリウッド音楽の亜流みたいな曲にも平気でほめるくせに、と不満に思ったこともあった。吉松隆はポピュラリティを有しつつも、決して新鮮さを失わない稀有な作曲家だと思う。