皆さんと同じように「あやかしびと」が大好きでこのメーカーのファンになり
このメーカーのゲームで、同等かそれを超える作品が出てこないものかと楽しみにしていたのですが
主人公を含めたキャラに魅力を感じないままに、茶番のような黒幕探しが続き
はい、次はこういう展開になります→はい、終わりました→では次です という感じで
話がどんどん進んでしまい、いつの間にかエンディングを迎えていて今ひとつのめりこめませんでした
戦闘シーンも描写は悪くない筈なんですが、数が多すぎるのと単調すぎるせいで全く燃えないのです
「あやかしびと」は良い意味で厨二病が爆発して最後まで勢いを保った作品でしたが
「東京
バベル」はその逆になってしまった作品だと感じました
バベルの塔は旧約聖書の「創世記」11章に記されています。
元来、人間は同じ1つの言葉で話していた。
人間は天まで届く塔を造り名誉・名声を高く上げ、全地のおもてに散るのを免れようと考えた。神はこの塔を見て、言葉が同じことが原因であると考え、人々に違う言葉を話させるようにした。このため、彼らは混乱し、世界各地へ散っていった。
この作品では、人々は様々な言語で話し、人間同士の断絶と孤独を描こうとしている様。
ストーリーは、
モロッコ、
メキシコ、東京でそれぞれ展開されるが、ひとつの糸で繋がっている。
初見の際には、結構観るのがしんどかったと感じたが、何故か不思議とまた観たくなる。
なにか頭の中をえぐり取られる様な感覚、天界から人間を見ている感覚をおぼえます。
どのエピソードも吸い寄せられる。
メキシコ編、ベビーシッター役のアドリアナ・バラッザの演技は素晴らしい。
バベルの塔の記述を踏まえた場合、東京のエピソードが印象的。聾唖の少女が手話とゆう言語で話し、断絶と孤独と繋がりを菊地凜子が「強烈な」存在感で訴えてくる。
この東京のエピソードのラストに映し出される高層マンションが、
バベルの塔に見えてくる。
起承転結が明確にある作品ではない為、意味不明と感じる方も多いとは思うが、この作品に答えはなく、ただ何かを感じれば良いのだと思う。
どこで何かを感じるかは観た人により様々なはず。
坂本龍一による音楽が良い。作品と見事に合っており、いやがおうにも作品の世界へと引きずり込ませる。
画質面では、想像していた通りの画。グレインが多く乗っており、非常にフィルムライク。作品に合っているかもしれない。ただ、もう少しメリハリが欲しいところ。
音質は、ナチュラルで抜けが良く、艶があり素晴らしい。