最終巻は、八重が新島襄との出会いから一緒に同志社を立ち上げていく、会津戦争の悲劇から一転、成功への道筋が描かれる。
物語にキリスト教や学校が深く関わっていこともあり、毎回のように珠玉の名台詞が聞けて最終話まで何度涙を浮かべたことか!
司馬遼太郎の「坂の上の雲」ではないが、明治は日本の教育にとっても希望と志に満ちた時代だった。
最後まで老け顔のメイクをしなかった
綾瀬はるかが特に素敵で美しかったが、
西島秀俊が演じた八重の兄で人生の師ともいえる山本覚馬が、維新の戦争や遷都で荒れ果てた
京都の復興に尽力した人物だということが知られてうれしかった。
そして八重の家族だけでなく同志社を巣立つ学生たちや、第1話から登場し明治になっても各方面で活躍した山川家の面々…。今回の大河は彼ら市井の人たちにスポットが当てられていてすばらしい。
その象徴ともいえるオープニングで、会津の無名の人々が次々と映る場面は本当に感動的!坂本龍一の曲もバックの映像も美しく、月ごとに変わるアートも楽しみでした。
日本のナイチンゲールとして勲章をもらったことだけでなく、晩年に八重が茶道に親しんだエピソードも描かれており、その茶室でかつて同志社にいた「国民之友」の徳富蘇峰を諭すシーンは心震える。
完結が近くになるにつれ現代社会への批判が感じられ胸を打つが、東アジアの片隅の小国に、軍人や政治家ではなく一人の日本人として理想を生きた女性がいたことが誇らしく思える。