おおくの本が最初からデジタルに話をしぼっているのに対して,この本はアナログ通信・変調からはじめている. アナログからはじめるなら,もうすこしデジタルと対比するとよいようにおもうが,淡々と書いてある. 交換方式についてもくわしく書いていて,パケット交換はもちろんだが,アナログとデジタルの回線交換がとりあげられている. そしてやっとインターネットが登場するので,そこまでのみちのりはながい. 一方で,おおくのネットワーク屋がこだわる OSI の話は付録になっている. やはりちょっとふるい感じは否めない.
中原俊監督といえば何と言っても「櫻の園」(つみきみほの方)「12人の優しい日本人」で知られる。それ以前のにっかつロマンポルノ作品にも名作が多い。しかし最近は長いことスランプかな、という作品が多く、本作もあまり期待せずに観たのだが、どうしてどうして、久々の好編に仕上がっていた。特に主演ふたりの瑞々しさが抜群だ。映画が初めての山下リオは、最初に組んだのが中原組でよかったね。岡田将生はこのところ凄く良くなってきた。次回作も楽しみである。それから太賀。「青い鳥」でのいじめ役が印象深かったのだが、本作では180度変わってのガクラン+メガネ姿。本当は岡田と並べても絵になる男らしいルックスなのに、このあたりが潔い。魔法遣いが公認化されて、霞が関が管掌している、というのも「何じゃそりゃ」的な背景だが、ホンと演出、役者の上手さがそういう考え方を吹っ飛ばした。導入部で「ああ、日本に魔法省があるんだな」とスッと入っていけたからね。冒頭とラストの北海道の「絵」も効いているだろう。中原監督が当初描いていた
宮崎あおいバージョンも観たかったけど、癒し系のいい作品です。星4つ。
熱田家の母・乙美が突然亡くなった。娘の百合子(
永作博美)は、父親が心配で嫁ぎ先の東京から戻ってくる。
元気をなくした父の良平(
石橋蓮司)だが、派手な身なりの少女・イモ(二階堂ふみ)が熱田家に押し掛ける。
亡き母が生前に残したというレシピを携えているが、その中身は、法要までの49日を残された家族が無事に過せる
愛のマニアルが書かれている。そして、49日は法要ではなく、「大宴会」が乙美の希望だった……。
演技派とベテラン俳優陣が演じる人間ドラマ。
突如と母を亡くした熱田家。父は、身勝手な夫だったと後悔の念で気力を無くしている。そこへ東京から嫁いだ娘が帰ってくる。
父親が心配という名目だが、裏では夫(原田泰造)の不倫で離婚を決意している。亡き母は、ボランテア人生で、生前に世話に
なったというイモと名乗る派手な女子が押し掛けてくるが、そこで、母の「49日のレシピ」の存在を家族が知る。残された家族が、
困らないように、家事や料理の内容がイラスト入りで書かれている。同時に、母が生前に49日は大宴会を希望していた事実も
知るのだ。
鑑賞前の予想と大分違う内容だが、「レシピ」が題名だが料理作品ではない。残された家族たちへの愛のバイブル的なレシピで、
離婚を決意している娘の百合子も、母の生き方は手本となる。実の母ではないが、子供のいない百合子に取って、母の行き方は
参考になるのだ。49日の大宴会を目指し、イモと日系
ブラジル人の青年・ハル(岡田将生)も加わり、4人の珍共同生活がはじまる。
百合子の離婚決意と夫の不倫、母の生前の回想や頑固オヤジの良平と乙美の馴れ初めなど、多数のエピソードが収められている。
ベテランと演技派の役者陣の共演映画なので、見応えはあります。
石橋蓮司・
永作博美・二階堂ふみが出演する人生再生の人間
ドラマだった。