ナチス
ドイツのロンメル将軍と並んで、山本五十六大将は第二次大戦の枢軸国側の軍事的英雄に該当するでしょう。
それだけに、何度となく映画にもなりました。
そしてその度に、なかなか納得のゆかないものを感じたりします。
それは、映画の要約制といいますか、文章に比べて丸めなければならない事情が大きいと思われます。
この作品を見ていても、当時の世界の状況や日本国内の好戦ムード、大政翼賛的マスコミ報道などを描いて、背景を描写しています。
このあたりは、非常に複雑ですので、上手く整理していると思わせられる一方で言い足りない部分も強く残ってゆきます。
山本大将の人物像にしてもまさに同じようなことが言えて、リ
アリティーよりも現代の観客にあわせた”像”を描いたと推測しています。
ヒトラーの率いるナチス
ドイツが日本人には圧倒的な人気で、そこに進んで加わってゆくのですが、そういう時代風潮も現代からみれば、信じられないことの一つでしょう。
軍事的マッチョな意見が慎重論を抑え込んでゆくのですが、これに良く似たことは今でも割合見つけられますね。
日本が昔アメリカと戦争をしたことすら知らない若者がいる、ということも伝わっています。
そういう人たちに日本の歴史に関心を持ってもらう意図で作られたのではないかと思いましたし、そうであればこういう描きで良いのだろうと思います。
日本の歴史に関心を寄せている側からすれば、当然物足りないですが、多分ターゲットには入っていないでしょう。