かつて、大河ドラマ化もされた作品(83年か確か)ですが、後半を読み返していたら、面白くて再度はまってしまいました。
自分が若かった十代の時は、長篠なり本能寺やら、関が原などの一大合戦トピックスを追うのが楽しかったのですが、関が原後の泰平始動した後に、不穏な空気が醸成されてきて、一挙に、
大阪の陣までなだれこむ展開も、なかなか読ませます。大久保長安の人間臭いところや、本阿弥光悦らの正義感なども実にいい! とくに、「家康以外の人物」がカメラ視点になるとき、山岡氏がどう、第四人称的に、その当人をめぐって心理や思惑を分析したりするかに注目されながら読むと、一段と興味深く読めると思います。
さらに全編とおして、女性キャラがこんなにもヴィヴィッドだったかと改めて思いなおしたりもしました。
当時小学生の私にとって、日曜夜8時は大人にTVを占有される嫌な時間帯でした。それがこの独眼竜正宗によって初めて大河ドラマの面白さを知り、両親と一緒に毎週楽しみに見る時間に変わりました。今回完全版が出るという事を知り早速注文し、今両親と再びソファーに座ってあの頃を思い出しながら見てみたところ、その面白さにあっと言う間に何話も続けて見てしまいました。出演陣は豪華かつ達者な顔ぶれが多く、内容は今見ても決して古臭くなく、むしろ今の大河ドラマよりも構成などが非常によく練られていることがわかります。総集編ではカットされてしまったシーンも完全版では見ることができて大満足です。このお値段ぶんの価値は十分にあると思いました。第2集の発売が楽しみです!
同じ
織田信長でも、司馬遼太郎の国盗り物語に比べてかなりボリュームがあります。
国盗り物語(全4巻)では1,2巻が斎藤道三メインの話ですが、
この作品は全5巻丸々
織田信長伝記。
斎藤道三からの歴史の一連の流れを知りたいなら国盗り物語もありですが、
信長の世界にどっぷり浸りたいなら、こちらの方が断然おすすめです。
セリフが多いのでまるで芝居を見ているような臨場感がありますし、
内容自体もまた素晴らしい。
信長の天下統一を目指す壮大な計画。
そしてその夢を共に目指す者達との人間模様。
濃姫との夫婦愛、家康との絆、光秀の裏切りまでの心情の変化。
どれをとっても一流と言わざるをえない。
是非とも後世に残したい作品の一つです。